青年部会主催情報Bankセミナー開催──3Dカメラ「Matterport」を使用したBIM活用環境の整備促進
青年部会|令和5(2023)年9月14日(木)@東京都建築士事務所協会&オンライン
倉部 広大(東京都建築士事務所協会青年部会副部会長・新宿支部、株式会社三悦設計)
協会会議室でのセミナー風景。
原田潤氏(左)と工藤信夫氏(右)。
 青年部会では、建築士の実務者や建築関係者の技術向上を目的に、賛助会から「情報Bank」に提供された企業情報の中からテーマを選び、年に2回程度「情報Bankセミナー」を開催している。
 今回のセミナーの内容は、3Dカメラ「Matterport(マーターポート)」を使用したBIM活用環境の整備促進で、現地会場とZoomウェビナーとの併用で開催され、合計で約50名が参加した。
 第1部「Matterportとは」の講師は、賛助会員の原田潤野原グループ株式会社営業課課長、第2部「Matterportを使用したBIM活用環境の整備促進」の講師は、工藤信夫マーターポート株式会社チャネルアカウントマネージャーで、第3部は両名によるデモ映像の紹介であった。
 建設DXの一端である最新の3Dカメラを活用して、建築設計や生産現場における業務効化、3Dカメラ撮影による屋内外の改修現場調査の省力化、2D図面作成の効率化などを実感できた。また、建物のライフサイクル全体におけるデジタルツイン(3D/VR空間モデル)の活用と業務効率化を進める方法なども示された。
 さらに、現地会場にて対面受講をした方には、3Dカメラの実機デモおよび撮影体験と、事前に撮影した講義会場の空間モデルとリアル会場との比較を確認した。
 セミナー開催後には懇親会が開かれ、対面受講者との情報交換も行われた。この中で、熊本地震で被害を受けた重要文化財の阿蘇神社楼門の保存修理工事(災害復旧)の完了前に、工事用の素屋根(覆屋)を活用して外周目線でMatterportにて撮影した珍しい映像をインターネット(http://asojinja.or.jp/)で見ることができるとの話があったのでご紹介したい。外気に触れる前の銅箔の屋根がたいへん美しい。貴重な文化財(建造物など)をこのような形で残すことも、たいへん意義のあるMatterportのアプリケーションのひとつであると感じた。
 青年部会では、このような情報Bankセミナーを今後も開催してまいりますので皆様奮ってご参加下さい。
倉部 広大(くらべ・こうだい)
東京都建築士事務所協会青年部会副部会長・新宿支部、株式会社三悦設計構造設計室
1987年東京都生まれ/2008年 日本工学院専門学校卒業/2008年(株)ビームス・デザイン・コンサルタント入社/2020年(株)三悦設計/現在、同構造設計室室長