歴史的建造物にて千代田支部総会開催
千代田支部|令和5(2023)年5月29日@学士会館
古田 秀行(東京都建築士事務所協会千代田支部編集員、株式会社エノア総合計画事務所)
脇宗一郎支部長。
川瀬普也新支部長。
 コロナ禍で令和2年度から4年度まで書面決議のみで行われていた支部総会が、令和5(2023)年5月29日、千代田区内の歴史的建造物である学士会館にて4年ぶりに開催することができた。
支部総会
 総会冒頭の、脇宗一郎支部長の挨拶では、パンデミック後の環境変化をチャンスととらえ、「挑戦と創造」につなげていきたいこと、また建築業界や環境問題にも積極的に取り組むといった姿勢が示された。
 総会の議案は、令和4年度事業報告・決算報告、令和5年度事業計画・予算案、千代田支部長選任、支部役員推薦の4つで、すべて承認となった。これに伴い、支部長は、2期(4年間)千代田支部長を務めた安井建築設計事務所の脇宗一郎さんから、IAO竹田設計東京第一事務所の川瀬普也さんにバトンタッチされることとなった。
懇親会乾杯。
懇親会
 その後の総会懇親会は会場を隣の部屋に移し、来賓に、千代田区から武貴志建築指導課長、緒方直美住宅課長、協会本部より児玉耕二会長、富樫亮副会長、宮原浩輔常任理事、早稲田大学より山田眞名誉教授(当支部技術顧問)を迎え、総勢65名で開催された。
 懇親会の冒頭、川瀬新支部長から、まずは身近な問題に取り組み、建築士事務所の健全な発展、業界の魅力発信、技術者の確保と育成、会員の増強、業務環境改善といった課題の解決に尽力していきたいという、力強い挨拶があった。
 児玉会長、宮原理事に挨拶をいただき、乾杯の音頭は、富樫副会長の楽しいエピソード交えたお話で始まり、コロナ以後久々の和やかな雰囲気で懇親会が進行していった。進行の合間に、協力会員の自己紹介のコーナーも設けることができた。懇親会の約2時間はあっという間に過ぎ、武建築指導課長の挨拶、最後に脇前支部長の三本締めで閉会となった。
総会会場のインテリア。
エントランス前より外壁を見上げる。
階段吹き抜けのステンドグラス。
入口扉の特徴的な把手。
エントランスホール。
(撮影:古田 秀行、村井 明世)
学士会館について
 今回千代田支部総会および懇親会の会場として利用した「学士会館」を簡単にご紹介させていただく。
 学士会館は関東大震災の震災復興建築で、旧帝国大学同窓会の親睦・交流のための施設として、東京大学発祥の地である千代田区神田錦町に建設された。設計は高橋貞太郎と佐野利器によるもので、昭和3(1928)年の完成。95年の歳月が流れている(昭和12/1937年に増築された新館部分は藤村朗の設計)。
 2・26事件の際には第14師団東京警備隊司令部が置かれ、太平洋戦争後はGHQに接収されるなど、数々の歴史の舞台にもなった。国の登録有形文化財にも登録され、定期的な修繕や耐震工事により、竣工当時の趣きを残しつつ今に至り、現在は一部施設を除き一般利用が可能である。この歴史ある学士会館でコロナ後の総会を開催できたことは、有意義に感じた。
 千代田支部は設立が昭和28(1953)年なので、今年が創立75年。学士会館には及ばないが長い歴史をもつ支部である。脇前支部長中心にコロナ禍の中、試行錯誤を経て立ち上げた千代田支部ホームページを有効に活用しつつ、今後は川瀬新支部長を中心として、千代田支部活動の未来につなげていきたいと考えている。
古田 秀行(ふるた・ひでゆき)
東京都建築士事務所協会千代田支部編集員、株式会社エノア総合計画事務所
1957年 東京生まれ/1979年 日本大学生産工学部建築工学科卒業/株式会社間組建築設計部を経て、2003年 株式会社エノア総合計画事務所入社、現在、取締役 計画設計部統括部長