東京大学本郷キャンパス建築探訪
文京支部|令和7(2025)年11月19日(水)・22日(土)@オンライン・東京大学
宮崎 耕介(東京都建築士事務所協会文京支部副支部長、一級建築士事務所studio momonga)
写真:大平 孝至(東京都建築士事務所協会会誌専門委員会副委員長・台東支部、株式会社ダイリン一級建築士事務所)
写真:大平 孝至(東京都建築士事務所協会会誌専門委員会副委員長・台東支部、株式会社ダイリン一級建築士事務所)

工学部1号館前で説明を聞く。

総合図書館正面外観。広場の地下に別館(平成29/2017年竣工)。

安田講堂(東京大学大講堂)。
文京支部では、文京建築会のご協力のもと、東京大学本郷キャンパスに残る貴重な建築遺産を学ぶ企画「東京大学本郷キャンパス建築探訪」を開催した。
文京区の中心に位置する東京大学本郷キャンパスには、内田祥三をはじめとする名建築家によって築かれた建築群が今なお息づいている。ここは学術空間であると同時に、日本近代建築史を語る上で欠かせない場であり、建築を志す者にとって格好の学びの素材が集積する場所でもある。
今回の企画では、専門家による案内のもと、現地を見学するだけでなく、事前にオンライン形式でキャンパスの歴史や背景について解説を受け、理解を深めた上で臨む構成とした。
オンラインレクチャー(11月19日)
オンラインレクチャーでは、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻に所属し、建築史を中心とした研究を行っている加藤耕一教授から、「本郷キャンパスの時間性と物質性」と題した講演をいただいた。建築が単なる物質ではなく、時代ごとの改修や再利用を通じて新たな意味を帯びていくという視点は新鮮であり、建物が「生きている」存在であることを実感させる内容で、現地見学への期待を一層高める講演となった。
現地見学会(11月22日)
好天に恵まれた当日は、多くの海外からと思しき観光客が集まる工学部1号館前広場の大銀杏の下に集合、工学部1号館内の講義室に移動し、事前レクチャーが行われた。「工学部1号館」の改修やキャンパス計画に携わられた野上恵子氏、「総合図書館別館」の設計監修を務められた川添善行准教授から、それぞれ解説をいただいた。
その後、野上氏の解説により工学部1号館内部を見学し、続いて、先日のオンラインレクチャーで説明のあった建築群、「工学部6号館」、「理学部」、「化学館」、「御殿下記念館」、「安田講堂」、「法文1・2号館」などを巡り、「総合図書館」へと向かった。
「総合図書館」では川添氏の解説により、記念室や大閲覧室などの館内の各室を見学した。
実際の建築物を目の前にすると、それらが単なる施設ではなく「時代の証人」として立ち現れることが強く感じられ、建物の細部に込められた意匠や思想を丁寧に理解できる、充実した時間であった。
見学後の懇親会は赤門近くの中華料理店にて開催され、参加者同士が感想を語り合い、建築に携わる者同士の交流の場となった。学びの余韻をさらに豊かにするひとときであった。
今回の企画を通じ、本郷キャンパスは「学問の場」であると同時に「建築史の宝庫」であることを改めて実感することができた。建物をただ眺めるのではなく、その背後にある歴史や思想を知ることで、日常の風景が新たな意味を持ち始めるまさに貴重な学びの場となった。
なお、現地見学会では、定員を超える申込があり、残念ながらご参加をお断りする方がでるほどの盛況であった。
文京支部では今後もこのような企画を予定しているので、ご参加を頂けると幸いである。
最後に、今回の講義をご快諾いただいた加藤氏、野上氏、川添氏に心より感謝申し上げる。また、企画・運営に関わった支部長をはじめとする文京支部役員、文京建築会の皆さま、ご参加くださった皆さまに厚く御礼申し上げたい。

宮崎 耕介(みやざき・こうすけ)
東京都建築士事務所協会文京支部副支部長、一級建築士事務所studio momonga代表
1993年 駿河台大学法律学科卒業/独立行政法人の勤務を経て、2022年一級建築士事務所studio momonga設立
1993年 駿河台大学法律学科卒業/独立行政法人の勤務を経て、2022年一級建築士事務所studio momonga設立
カテゴリー:支部 / ブロック情報
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