東京消防庁からのお知らせ
東京消防庁管内における火災予防条例の劇場等の客席基準に対する運用の変更について
東京消防庁予防部予防課建築係
■火災予防条例の特例等で使用する火災避難シミュレーションの活用範囲の拡大について

(1)火災避難シミュレーションとは
 火災避難シミュレーションとは、火災により発生する煙の影響と、人が避難口まで避難する状況を可視化することで、火災時の避難安全性を確認するためのものです。
 東京消防庁管内では、以下の火災予防条例(以下「条例」)の適用において、「予測される避難に必要な時間(以下「予測避難時間」)」を算定する際に「火災避難シミュレーション」が活用されています。
火災避難シミュレーションの例
条例第51条の2【基準の特例】
次の各号に掲げる防火対象物の客席又は避難通路について、消防署長が(略)これらの状況から予測される避難に必要な時間から判断して避難上支障がないと認めるときは、当該各号の規定によらないことができる。
1 劇場等の屋内又は屋外の客席(第48条又は第49条)
2 キャバレー等又は飲食店の客席(第50条)
3 百貨店等の階又は地下街の物品販売業を営む店舗の一の構えの補助避難通路(第51条第4項)
条例第53条の3【不特定の者が出入りする店舗等の避難の管理】
不特定の者が出入りする店舗等(略)が存する階の関係者は、訓練その他避難に必要な管理に際し、(略)避難施設の配置等の状況から予測される避難に必要な時間を算定し、その結果の活用に努めなければならない。
(2)民間の火災避難シミュレーションの活用
 従来、「条例第51条の2」の基準の特例の際の予測避難時間の算定は、原則として、当庁で開発した火災避難シミュレーションにより実施することとしていましたが、建物の規模や客席等の形態により解析できない事例が多いことから、民間企業等で開発された火災避難シミュレーションを当庁の事務で活用できるよう関係規定を改正しました。(令和7年8月1日)
(3)火災避難シミュレーションの評価制度の新設
 予測避難時間の算定方法として適当と認める一定の基準を定め、当該基準を満たす火災避難シミュレーションを当庁で評価し、これを公表する制度を新設しました。
 評価申請の方法や評価基準、評価された火災避難シミュレーションの情報等は当庁のホームページに掲載し、開発者には評価通知書を公布します。
評価された火災避難シミュレーション(令和8年1月現在)
(4)劇場等の客席基準等に係る基準の特例時の留意点
 これまで、客席等の配置が条例に適合しない場合の基準の特例の申請の際には、当庁の火災避難シミュレーションでは条件上解析できない場合(狭隘通路、大空間等)に限り、避難安全検証法による検証結果で特例申請をすることが可能でしたが、今後は火災避難シミュレーションによる解析結果でのみ特例申請をすることが可能となります。
 なお、令和8年3月31日までは経過措置期間とし、避難安全検証法による検証結果で特例申請が可能です。
 また、令和7年7月31日までに条例の客席等の配置について基準の特例を受けている既存施設は、従前の特例は継続しているものとし、特例の再申請は不要です。
■劇場等の客席に係る火災予防条例の運用基準の策定について
 「条例第48条及び第49条」に規定する劇場等の客席に係る運用基準や、「条例第51条の2第1号」に規定する劇場等の屋内又は屋外の客席の特例基準について、明確化、統一化を図るため、新たに「劇場等の客席に係る火災予防条例の運用基準」を定めて、当庁のホームページに掲載しています。
【参考資料】(東京消防庁ホームページ)
火災予防条例の客席基準の特例について
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/office_adv/simulation.html

火災避難シミュレーションの評価制度について
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/office_adv/sim_evaluation.html

劇場等の客席に係る火災予防条例の運用基準の策定について
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/office_adv/gekijyou.html
カテゴリー:建築法規 / 行政