働き方改革を考える 第16回
第2回働き方活躍支援懇談会──Withコロナからの再生・どんな働き方をデザインするのか?|令和3(2021)年1月22日(金)14:00〜@Zoom会議
飛田 早苗(東京都建築士事務所協会会誌HP専門委員会、株式会社日建設計)
本部会議室の様子。(撮影:事務局)
Zoomの画面。
 一般社団法人東京都建築士事務所協会主催の「Withコロナからの再生・どんな働き方をデザインするのか?」をテーマとした第2回働き方活躍支援懇談会がオンラインで開催された。
 当会初の試みとなるZoomのブレイクアウトルーム(大人数の会議中にグループセッションを行う機能)を活用し、オンラインでつながった26人の若い世代や女性運営者が、多様なワークスタイルや誰もが働きやすいフラットな雇用環境、事務所運営活性化のための働き方について議論を交わした。
挨拶・主旨説明──東京都建築士事務所協会 寺田宏副会長、横村隆子委員
 はじめに、寺田副会長より「私たちの職能はデザインすることだが、われわれ自らの働き方を変化させることをデザインできているか? コロナという周りの社会が大きく変わったこの時期を捉えて、今一度考えたいと思う。今、変えないとこれからの社会から取り残される、という危機感を持って臨みたい」との挨拶があった。続いて、横村委員より、本日の進め方として、3つの班に分かれて50分間のブレイクアウトルームでのセッションを行ったのち、その発表を踏まえて全体討論を行う旨の説明があった。
ワークセッション
 各セッションのテーマは、「A:リモートワークと生産性向上」、「B:設計業務時間をどうデザインするか」、「C:アフターコロナでいかに生き残るか」であった。主な議論の内容は下表の通り。
全体討論
 その後の全体討論において、実は女性が多い事務所では、コロナ以前から在宅/リモートワークやワークライフバランスへの取り組みが進んでおり(参加者アンケートの36%)、急激な社会状況の変化にも柔軟に対応できていることが分かった。その上で、コンサル事業を展開しているメンバーからは、「設計者は、自分のやりかたに固執し、なんでも自分でやろうとしてしまう傾向にある」との業界特性への言及があり、「こういうやり方がある」、「とりあえずやってみようよ」とみんなが思える情報の共有や提言が求められているとの協会の役割についての認識が共有された。
 総論としては、コロナ禍をきっかけに設計者ひとりひとりが、積極的にDXの推進や、自分ができることできないことの棲み分け、業務の分業化への理解を深め、周りとの連携強化を図っていく働き方が進んでいくことに、参加者の多くが期待を寄せた。
総括
 横村委員より、本日の議論や提案について、コロナ禍でウェブ環境が広まったことで、これまで会社や集まってやっていたことがバラバラの場所でもできることが分かった、と前向きな言葉で総括した。
 最後に、寺田副会長より、今日発言があった設計者の働き方を語る上でのキーワードとして、①設計業務の分析と見える化、②コミュニケーションの工夫、③現場の重要性、という3つのポイントが挙げられ、「これらについて、これからもいろいろな形で事例紹介やアイデアなど拾い上げ、それぞれがカスタマイズして取り入れていただけるよう、会員のみなさまの役に立つ情報をどんどん発信していきたい。働き方改革推進レポートとして、小冊子にまとめて4月に配布させていただくが、今後も、引き続き協会としていろんな取り組みにチャレンジしていきたい」との意気込みとともに会が締めくくられた。
飛田 早苗(とびた・さなえ)
東京都建築士事務所協会会誌・HP専門委員、株式会社日建設計
神奈川県横浜市生まれ/慶應義塾大学総合政策学部卒業/現在、株式会社日建設計広報室課長