青年部会研修旅行
青年部会|令和2(2020)年2月21日@多治見市
佐藤 博昭(東京都建築士事務所協会青年部会幹事、台東支部、有限会社ニュークリアーエンジニアリング)
多治見モザイクタイルミュージアムで集合写真。
製造工場見学風景。(撮影:筆者)
 今回の研修旅行は18名の参加で、モザイクタイル全国一の生産量を誇る岐阜県多治見市に赴き、「多治見市モザイクタイルミュージアム」と株式会社日東製陶所のタイル工場を見学した。
 今年は日帰りでの研修旅行ということで朝7時30分に東京駅に集合して現地入りした。目的地に到着すると日東製陶所の重田忠彦さんに出迎えられ、「多治見市モザイクタイルミュージアム」へ向かった。建築家、藤森照信さんが設計したミュージアムの外観は山形の曲線を描き、外壁は土の表面にタイルや陶器を貼り付けたものとなっている。敷地の地形の傾斜を生かし、1層分のなだらかなスロープで来館者を建物に誘導する。内部の各階の展示室へのアプローチは2階から4階へ続く1本階段で繋がっており、4階と2階の階段幅を変えることで、遠近感が生まれ、洞窟の中を登る雰囲気を醸し出していた。
 昼食は日東製陶所の「スワンカフェ」という店。室内のいたるところにタイルや陶器が使用されている。ランチョンマットや箸置きにもタイルが使われていて、箸置きは持ち帰ることができるとのことであった。
 午後からは日東製陶所のタイル工場を見学した。本社ショールームでビデオを見た後、日東製陶所の若尾幸祐さん、森竜善さんにご案内いただき、製造工程を見学した。製造工場の1日の製造量は1万㎡とのことで、注文を受けたタイルは色むらをなくすために、できるだけ1度に生産するとのことであった。工程は、成形→施釉→焼成→選別→検査となり、各工程について説明を受けながら見学した。釉薬については自社で製造していて、サンプルを制作して施主とのやり取りをし、微妙な色の違いを調整しながら調合計画を行っているとのことであった。
 見学の最後に虎渓山永保寺を訪れた。虎渓山永保寺には「観音堂」と「開山堂」のふたつの国宝建造物がある。「観音堂」は鎌倉時代の1314年に夢窓国師により建立されたといわれる仏殿で、「開山堂」は室町時代初期、1352年ごろに足利尊氏が建立したものといわれている。
 旅の締め括りは多治見駅の近くにある割烹居酒屋「二代目浪花」での懇親会。やはりモザイクタイルの地であることから、店の中にもタイルがふんだんに使われていた。
 駆け足の旅ではあったが、参加していただいた方々には満足していただける内容だったと思う。
 今後も青年部会では魅力のある研修旅行を企画していきますので、皆さまの参加をお待ちしています。また、ぜひ青年部会のイベントにもご参加ください。
佐藤 博昭(さとう・ひろあき)
東京都建築士事務所協会青年部会幹事、台東支部、有限会社ニュークリアーエンジニアリング
1970年 静岡生まれ/1994年 工学院大学建築学科卒業/現在、有限会社ニュークリアーエンジニアリング代表取締役/東京都建築士事務所協会木造耐震専門委員、東京都建築士事務所協会青年部会幹事、台東支部
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