連載:働き方改革を考える 第4回
テレワークをご存じですか? 新たな働き方に向けて──「テレワーク事業説明会」報告
働き方改革推進ワーキンググループ
 働き方改革推進WGは、多様な働き方推進の一環として、東京都が実施する「業界団体連携によるテレワーク導入促進事業」に応募し、令和元(2019)年12月1日より事業開始となりました。
 応募にあたり、会員の皆様には多大なるご協力をいただき、ありがとうございました。12月11日にはテレワーク事業説明会が開催されましたので、そこで取り上げられた「テレワークとは?」について報告します。
テレワークとは?
 近年、テレワーク(telework)は、時間や場所に制約されない柔軟な働き方を意味するようになってきています。これからの少子高齢化による労働人口減少社会において、生産性を向上させる働き方を実現するために、就業環境の必須アイテムになっていくと想定されます。
 テレワークには大きく分けて、「在宅勤務(自宅で勤務する形態)」、「モバイルワーク(外出先でモバイル機器を利用して業務を行う形態)」、そして「サテライトオフィス勤務」の3つがあります。
テレワークの仕組み
 テレワークの仕組みは、大きく分けて「リモートデスクトップ型」と「VPN接続型」のふたつがあります。
 「リモートデスクトップ型」は、主に「在宅勤務」を実現するためのシステムです。自宅のパソコンはキーボード等の入力とその結果の画面表示(出力)を担当するのみで、会社のパソコンがデータの処理等を行いますので、自宅のパソコンには処理能力が要求されません。さらには、自宅のパソコンには一切データが保存されませんので、セキュリティの面からも安全な方法です。
 「VPN接続型」は主に「モバイルワーク」を実現するためのシステムです。このシステムでは社外から会社内のLANに接続して業務を行います。社外にいながら社内で通常利用しているパソコンを使って業務を行うことができる点が特徴です。
 メリット・デメリットがありますが、自社のスタイルに合わせ最適な方法のテレワークの導入により、業務効率化や建築士の作業負担の減少、作業時間の軽減にもつながります。
勤務管理体制について
 テレワークの導入にあたり、勤務管理が課題となります。パソコンのログイン・ログアウト時間の把握、パソコンの内臓カメラによる写真撮影、チャットを通じた呼びかけといったさまざまな対応を市販のアプリで行うことができます。残業は事前届出制とすることを徹底し、深夜労働や休日労働を原則禁止とする等のルールを定めることも必要になります。一方で、従業員の自己申告に頼らざるを得ない部分がありますので、会社と従業員の信頼関係の構築及び会社としての誠実な対応のもとに会社の規制づくりが必要になります。
事業説明会を終えて
 働き方改革の一環としてテレワークを導入することは、多様な働き方が実現でき、経営者にとっては大きな強みになります。
 一方、2020年より「5G回線」が導入されるとの報道もあり、ビジネスの世界も大変革が起こることが想定されます。これに合わせて、テレワークの導入が必須となる日も近づいているのではないかと思われます。多様な働き方を実現するテレワークへの期待は大きくなりつつあります。
(文責:横村 隆子|働き方改革推進WG委員)
横村 隆子(よこむら・たかこ)
東京都建築士事務所協会会長補佐、働き方改革推進ワーキンググループ委員、一級建築士事務所横村隆子YHT環境設計
1955年 東京生まれ/1977年 日本大学理工学部建築学科卒業/一級建築士事務所横村隆子YHT環境設計/足立支部