今回の研修の目的は、森の維持管理をしている林業家の現状と、林業家が切り出し出荷される市場、それを買い製材する製材工場を視察するものでした。
総勢16名で、東青梅駅よりチャーターしたバスで出発。最初の視察場所、青梅市成木にある中島林業を訪ねました。中島林業社長の中島邦彦さんとNPO法人環境学習研究会の谷村春樹さんに出迎えていただき、中島林業が管理している山林を見学しました。中島林業は親子2代で約100haの森林を管理しています。当日はあいにく雨でしたので、高いところまでは登らず、山の中腹で中島社長の話を聞きました。
かつて青梅は多くの材木需要を背景に、林業がたいへん栄えたところでしたが、現在は国産木材の需要の低迷により林業は衰退してしまったこと、立木を市場に出しても値段が安く山から運び出す労務費がかかり、丸太として売っても儲けが出ず赤字になってしまう現状、そして木の維持管理の実際などについてうかがうことができました。
次に出荷場である株式会社吾野原木センターを訪ね、さまざまな種類と大きさの丸太を見ました。ここは「西川材」(江戸時代、入間川・高麗川・越辺川の流域から筏により江戸へ流送された木材に由来)を扱う原木市場です。社長の鴨下文明さんより、林業の現状と林業と補助金の話などをうかがい、最後に国産材をぜひ使ってくださいとのお話がありました。
その後、鈴木木材有限会社の工場で、丸太から製材を加工する作業を視察した後、最後に中島林業作業所で、息子さんの中島大輔さんに、森林の手入れの方法と林業の現状等の勉強会を開催していただき、研修会を完了しました。
時間的には、ハードな行程でしたが、初めて体験するものも多く、たいへん勉強になった有意義な1日でした。
渡辺 博明(わたなべ・ひろあき)
(株)勝栄工務店一級建築士事務所、東京都建築士事務所協会品川支部副支部長
1955年8月生まれ
1955年8月生まれ
記事カテゴリー:支部 / ブロック情報
タグ:支部だより