青年部会主催「熱と音の環境セミナー」
青年部会|令和元(2019)年10月10日(木)@東京都建築士事務所協会会議室
宮本 明彦(東京都建築士事務所協会青年部会幹事、八王子支部、株式会社ランドテック)
株式会社ヤブ原の発表。
アイジー工業株式会社の発表。(撮影:筆者)
 建物の快適さを考える上で騒音・断熱など環境に関する対策は重要な課題となる。また、安全性の面から防耐火性能も欠かせない。今回のセミナーでは賛助会の協力のもと表題に関連した3つのテーマについて講義が行われ、40名の方に参加いただいた。
 最初のテーマは、「音環境の課題と向上の取り組み。事例:幼保施設」。説明者は大建工業株式会社の藤原義一さん。音響設計の役割及び推奨基準や用語・単位の説明が行われ、幼保施設を事例に実際に音の強弱を聞いたりしながら確認することができた。身近な建築物にも用途に応じた(今回は特に子どもたちのための)音環境対策が必要なことを改めて考えさせられた講義だった。
 続いてのテーマは、「木造45分準耐火認定を取得【ロックウール断熱材】を用いた湿式外張り断熱工法」について。説明者は株式会社ヤブ原の土屋弘司さんと、藪原大輔さん。木材利用の推進にあたり、今、木造建築物に求められている防耐火性能、不燃性、断熱性、耐久性、意匠性を実現できる外壁材として「不燃ライト工法・ダンウォール」を紹介していただいた。吹き付けや鏝塗りによる仕上げ等に対応でき、意匠の自由度が上がるものだ。参加者からの質問に対しては左官商社らしい技術的な回答をされていた。
 最後のテーマは、「超高耐久GL鋼板【ガルマックス】を採用した金属サンドイッチパネルの特徴について」。説明者はアイジー工業株式会社の栗原千帆さん、川口真司さん。金属サンドイッチパネルの高断熱性、軽量性、高強度について試験動画等を混じえて説明があり、会場にて断熱樹脂の簡易発泡実験も行われた。ガルマックスの高耐候性によりメンテナンスコストの低減にも期待できそうだ。
 講義後の質疑応答では、時間いっぱいまで参加者からの質問が行われた。会場を移して行われた懇親会にも23名の方が参加され充実したものになった。
 青年部会ではこれからもいろいろな講習会・セミナー等を開催してまいります。今回の講習が会員皆様の今後の実務に何らかの形で役立てればと思います。
宮本 明彦(みやもと・あきひこ)
東京都建築士事務所協会青年部会幹事、八王子支部、株式会社ランドテック