常置委員会委員長年頭挨拶|法制委員会
加藤 峯男(東京都建築士事務所協会法制委員会委員長、港支部、株式会社エンドウ・アソシエイツ)
 あけましておめでとうございます。
 私たち建築士が係るまちづくりとそれを支える法制度は、戦後の復興期と右肩上がりの高度成長期に原型がつくられています。そして、わが国は、これから本格的に少子高齢化し、生産年齢人口が縮小する時代を迎えます。そうした時代を迎えるにあたって、これまでと同じスタイルの「壊しては建て替える」ことを繰り返すまちづくりをやっていてよいかを、真剣に問い直すべき時期に差し掛かっています。
 法制委員会は、戦後70年経過して蓄積された既存ストックを利活用する機会がますます増大すると予測し、そういったプロジェクトを行うときに建築士の手引き書として役に立つ『(仮称)既存建築物活用に係る建築基準法令とその解説』をつくろうとしています。つまり、現在「新築工事」主体に組み立てられている「建築基準法並びにそれに基づく命令及び条例の規定」のうちの、「既にある建築物に何か手を加えて利活用を図る増築、改築、修繕、模様替え、用途変更等の工事」等の「既存ストック活用工事」に焦点を当て、それらの規定を拾遺するとともに、それらの規定がつくられた意味あい、考え方等の解説を加えた手引書です。
 既にその規定や技術的助言等の収集や編集に入っていますが、やり始めたことの大きさに今さらながら気づき、当初目指していた今年度中発行が無謀な目論見と分かり、目標を後ろ倒しして、何とか来年度中発行を目指して頑張る所存です。ご支援のほどよろしくお願いいたします。
加藤 峯男(かとう・みねお)
東京都建築士事務所協会理事、株式会社エンドウ・アソシエイツ
1946年 愛知県豊田市生まれ/1969年 名古屋大学工学部建築学科卒業、同年圓堂建築設計事務所入所/1991年 同所パートナー/2002年 株式会社エンドウ・アソシエイツ取締役/2003年 同代表取締役/港支部