全国大会参加を兼ねた江戸川支部研修旅行
江戸川支部|令和元(2019)年10月4日(金)〜6日(日)@福島県
國分 守(東京都建築士事務所協会江戸川支部顧問、江戸川建築設計協同組合管理建築士・専務理事)
大内宿にて。
「コメの全袋検査」の検査場。
 今回、建築士事務所全国大会が私の故郷である福島県で開催された。実は8年前の平成23(2011)年に福島県開催が予定されながら、東日本大震災の発災により急遽中止になった事情がある。当時、江戸川支部の仲間から「福島県開催の際にはぜひ案内してほしい」との要望があったが、今回、福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染に苦しむ故郷を案内することになってしまった。
 全国大会には江戸川支部から15名参加したが、その内11名と江東支部から3名、協力会員3名の合計17名が今回の研修旅行に参加し、私の生まれ故郷である本宮市の放射能汚染対策を視察しながら資料館・観光地等を回った。
 先ず、約100年前に南米ペル-に移住し、当時発見されたばかりのインカ帝国遺跡マチュピチュ村の初代村長となった野内与吉の生誕地、大玉村の資料館を訪ねた。
 野内与吉は移住後ペル-国鉄に勤め、その後現地人と結婚してマチュピチュに住み、水力発電を起こして電気を供給したりホテルを建てて観光客を誘致したり村の発展に尽力し初代村長になった人である。このような人がわが故郷の隣村出身とは驚かされた。
 続いて本宮市の放射能対策として行っている「コメの全袋検査」の検査場に移動して、現地米のすべてを検査する状況を視察し、その後、「放射能除染・モニタリングセンタ-」を訪ね、市職員から放射能対策の概要をお聞きすることができた。これらの検査においては、ほとんど基準値をクリアしている状況ではあるが、風評被害払拭のためにあらゆる努力を重ねている現地の行政や、住民の苦悩を目の当たりにした。
 その後、「アサヒビール福島工場」で美味しいビ-ルを飲みながら昼食を取り、「野口英雄記念館」、建築様式上珍しい重要文化財の「さざえ堂」と回り、東山温泉にて1泊。2日目は、福島県会津地方定番の観光地、会津若松城、市内酒蔵にて試飲、江戸時代の宿場「大内宿」、「塔のへつり」を経由して新白河駅から新幹線にて無事帰京した。
國分 守(こくぶん・まもる)
東京都建築士事務所協会江戸川支部顧問、江戸川建築設計協同組合管理建築士・専務理事
1943年 福島県生まれ/1967年 日本大学理工学部建築学科卒業/1994~99年 社団法人東京都建築士事務所協会江戸川支部 支部長/2008年~現在 江戸川建築設計協同組合専務理事