翌早朝周辺を散策すると日本の原風景が広がっていた。長良橋南詰の鵜飼観覧船乗り場から西へ続く湊町、玉井町、元浜町のまちなみは、通称「川原町」という。格子戸のある古いまちなみが今も生活に根づいているのである。
朝食後、WWS(FLライト研究会)のグループ八名は仲間の運転する車で犬山市の博物館明治村へと向かった。六年前の二〇一三年一〇月二七日のことである。
WWSは理事長である堀静夫さんが設立した会で、彼は大学卒業後直ぐタリアセンの門を叩き、シカゴで三八年間建築設計活動の後、帰国した。長年にわたり関わってきたライトの思想を後世に伝えるべく、著作・講演・イベント等の活動を行っている。
東京・日比谷より明治村に移築・保存されている帝国ホテル中央玄関は、二〇世紀建築界の巨匠フランク・ロイド・ライトの傑作である。立体的な構成は有機的と称される空間と積み木のような楽しさを持ち、その美しさには感銘するものがある。
スケッチの場面はその日たまたま出会った当該館の説明員の女性に滔々とライトの思想を語っている場面である。その周囲で思い々々の方向を見ている人たちはグループの仲間である。
註:WWSはライト・ウエイ・ソサエティと称し、米国ライト財団が認証し、また東京都のNPO法人でもある。共感・賛同者に門戸を開いている。
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