床下のプロからの提言
阪神淡路大震災の調査結果で、最も甚大な被害だった神戸市東灘区内の築30年未満の木造住宅を全棟調査したところ、シロアリ被害があり、腐朽の見られた建物はほぼ100%が全壊。一方でシロアリの被害も腐朽も見られなかった建物の全壊率は20%弱。床下が脆弱な状態であれば、あっけなく住宅は地震で全壊することがわかります。2012年度の国土交通省補助事業全国木造住宅調査では、全国の木造戸建住宅約3000棟をランダムに床下調査し、シロアリの住宅被害率を算出。結果は築25~29年で20%弱。約5分の1であることがわかりました。断熱性能でいえば、現在の断熱性能基準に達している住宅は、約5,000万戸のストックがある中でわずか5%しかありません。
われわれ日本人が安全に、かつ健康的に過ごせるか否かは、定期的な床下診断とメンテナンスがいかに大切かを、数字と照らし合わせながらご判断いただけたら幸いです。
(「診断と工法」セミナー/2019年9月12日開催)
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