さて、その聖天院ですが、学生のころに行ったことがあります。友人とハイキングで飯能・高麗方面へ行くことになり、西武線の高麗駅で下車し、「巾着田」の鹿台橋を渡って日和田山へ。下山後に聖天院から高麗神社へと見て回ったとき印象深かったのが聖天院の山門でした。重量感のある古い門が野原に単独でドッシリと建っていた姿を記憶していました。
高麗郡建都一三〇〇年ということもあり、かつて見た聖天院を描くことにして家を出発。高麗川を横目に車を高麗神社に停めて徒歩五分ほどで聖天院に到着します。南側に回り込んで山門の正面に立って見ると、当時の面影はなく、山門は瓦等が改修され、周囲には植栽が施されていて、予想外に綺麗になっていました。早速アングルを決めるためひと回りしてみると、山門と植栽のバランスがいいところが見つかりました。描き始めて見ると木の枝と葉っぱが山門の周りにあり、木と葉っぱを描くのに大苦戦。山門を描きに来たつもりが風景画になった「聖天院」でした。
中坪 明夫(なかつぼ・あきお)
菊池建設株式会社東村山支店支店長、東京都建築士事務所協会北部支部
2000年 菊池建設株式会社一級建築士事務所入社
2000年 菊池建設株式会社一級建築士事務所入社
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