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小山 充男(東京都建築士事務所協会北部支部、建築工房 上二 一級建築士事務所)
玉川上水緑道。
日頃の運動不足解消のため、時々ジョギングやウォーキングをします。井の頭公園やそこから流れ出す神田川沿いの道、玉川上水沿いの緑道がお気に入りのコースです。春に咲く色とりどりの花を愛でたり、新緑の景色を楽しんだり、野鳥に出会える楽しみがあります。自然との触れ合いが気分をリフレッシュさせてくれます。また、歩きながらまちなみを観察したり、思考を巡らせることも、仕事の発想の助けになっているかもしれません。そこで欠かせないのがスマホです。知らない花を撮影してスマホの検索機能で調べたり、気になる建物を撮影したりと大活躍しています。また、スマートウォッチと連動してジョギングのペースを確認したり、歩数を確認したりと欠かせないアイテムになっています。多機能なスマホは電話としての機能はもちろんですが、手軽に持ち運びできるコンピュータともいえます。さらに将来どのように進化するか、想像もできないですが楽しみです。
IT技術の進化は留まることを知りません。最近は、その中で人工知能が話題です。巷で話題のChatGPTはオリジナルの文章を書くことができるAI、人工知能ツールです。人間と会話しているようなコミュニケーションがとれ、文章の作成などができます。また、絵本や小説も作成できるというから驚きです。行政の仕事でも使われ始めています。AIは私たちの身近な、さまざまな場面で使われるようになってきました。
建築業界の未来でもAIはなくてはならないツールとなる可能性があります。既にAI機能をアピールしたエアコンのCMを見ることがありますが、これからはエアコンだけでなく、建物全体のエネルギー管理、あるいは保守管理で活用されることもあるでしょう。また、建築設計では、構造計算の最適化やエネルギー効率を向上させる設計などの利用が考えられます。さまざまなシーンで無駄のない設計をするための必要なツールになるかもしれません。しかしAIが普及すると人間が要らない建築設計が到来するでしょうか。
設計に必要な創造性や美的感覚、人間らしいアプローチは、まだAIには難しいとされています。将来はこういったツールを利用しつつ、人を感動させる素晴らしい建築をつくり上げることが建築士に期待されるのではないでしょうか。
小山 充男(こやま・みつお)
東京都建築士事務所協会北部支部、建築工房 上二 一級建築士事務所
1967年長野県松本市生まれ/武蔵野美術大学建築学科卒業
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