(一社)東京都建築士事務所協会 第95回定時総会開催
令和4(2022)年6月20日@明治記念館
小山 充男(東京都建築士事務所協会会誌専門委員会・北部支部)
井出 幸子(東京都建築士事務所協会会誌専門委員会・豊島支部)
鈴木 文雄(東京都建築士事務所協会会誌専門委員会委員長・墨田支部)
写真:大平 孝至(東京都建築士事務所協会会誌専門委員会副委員長・台東支部)
定時総会会場の明治記念館富士の間。
挨拶する児玉会長。
議長団。
在籍30周年会員表彰。
会員増強優良支部表彰。
第95回定時総会(13:00〜15:00 富士の間)
 新型コロナウイルスの感染防止対策のため、出席人数の制限がなされる中、本総会は開催された。
 総会に先立ち司会者である事務局の林真由美さんより昨年度にお亡くなりになった5名の方の紹介があり黙祷をささげた。定時総会の定足数である1,594事務所の過半数798名に対して、正会員出席者99名、電子評決等837名、計936名で定足数を満たし、定時総会の成立が確認された後、永池雅人副会長より開会が宣言され、臼井勝之副会長より「建築士事務所憲章」の朗読が行われ、児玉耕二会長の挨拶があった。

【児玉会長挨拶(要約)】
 「新型コロナウイルス感染症は収束まで至っていないため、私たちの生活も仕事もwithコロナへと変容してきている。定時総会も感染防止対策を行い開催することにした。今日のこの機会にコミュニケーションを取っていただき、協会の活性化に役立てて欲しい。
 旧東京都建築安全支援協会(以下、安全支援協会)に係わることで混乱が続いていることをお詫び申し上げたい。安全支援協会の旧理事と旧管理建築士、その他関係者で議論して今後の方針ついてまとめ、その結果を当事務所協会の理事会に報告いただくこととした。会員融和への道筋を第一に考えて議論し、導きたいと考えている。
 令和3年度の決算は赤字だったが、当事務所協会の資産は、この10年間では増加傾向にある。事務所協会は利潤追求をする団体ではないが、中長期的には安定した運営を図る必要がある。そのため中期的な視点での財務検討を始めたところである。
 コロナ禍だがピンチをチャンスに変えるため、業務改革や会員の技術、知識の研修など、積極的に取り組みたいと考えている。建築設計業界でもデジタル化が急速に進んでいる。当会でも、今後に備えて会員データベース再構築プロジェクトチームが準備を進め、データ入力を開始したところである。
 脱炭素社会実現に向けて、設計業界においても省エネ推進の加速が求められている。業界を挙げて身近なところから地球環境保全に繋がるところまで協力してもらいたい。
 マネジメント支援センターでの研修などは、当会の魅力となって会員増強になると期待している。
 建築設計業界は大きな転換期にあり、困難な課題を数多く抱えている。建築設計事務所のあり方、あるいは事務所協会のあり方の次の10年を見据えて、いろいろな議論を起こしていただきたいと考えている。会員の皆様にはこれまで以上にご協力をいただきたい。」
 会長の挨拶に続き、議案の審議へと移った。

【議案の審議】
 事務局一任の声を受け、議長団を選出。議長団が登壇し、議長一任の声を受けて議事録署名人2名が選任され議案の審議となる。
 野越聖一事務局長から第1号議案「令和3年度事業報告の承認」と事務局経理担当の河元幸男さんから第2号議案「令和3年度収支決算の承認」に関する議案書の説明が行われた。監査報告は広瀬淡監事が代表し監査報告書を読み上げた。その後質疑へと移った。
 質疑は、はじめに事前に7社から寄せられた意見・質問書が読み上げられ、事務局から回答があった。その後、会場での質疑が行なわれ児玉会長から回答があった。質疑は安全支援協会に関するものが多く、会員の関心の高さがうかがえた。
 質疑回答の後、第1号議案と第2号議案は過半数以上の多数の賛成により承認された。
 続いて第3号議案(役員の選出に関する件)について、児玉会長より同一業界関係者以外の理事候補として小松達也常勤顧問の推薦の説明があった。第3号議案については、事前に寄せられた質疑に対して野越聖一事務局長から回答があり、その後、過半数以上の多数の賛成により承認された。
 続いて事務局から「令和4年度事業計画の報告」と「令和4年度収支予算の報告」の説明があった。以上で当日の議事は終了し、議長団が退席となり会員表彰へ移った。

【表彰】
 会員表彰:当協会に30年以上在籍し、本会の発展に寄与された会員24社が紹介され、代表して(株)パッソンの木村修さん(台東支部)に表彰状が贈呈された。
 会員増強優良支部表彰:永池雅人副会長から会員増強の報告があり、6支部が紹介された。第1位江戸川、第2位新宿、第3位は港支部、台東支部、板橋支部、八王子支部の上位6支部が登壇し、代表して江戸川支部に表彰状と副賞が贈呈された。
 最後に富樫亮副会長が閉会の辞を述べ、無事閉会となった。
(小山 充男)
蓬莱の間ロビーに並べられた受賞作品のパネル。
千葉学選考委員会委員長による講評。
東京建築賞表彰式(16:00〜17:30 蓬莱の間)
 蓬莱の間ロビーに並べられた13の作品パネル前では、表彰を待つ設計者らが、来場者の祝辞を受けたり質疑に答えたり丁寧に作品の説明する和やかな場面が見られた。
 東京建築賞表彰式は、会場にて受賞関係者49名、選考委員、都関係者らが列席する中、宮原浩輔東京建築賞特別委員会副委員長と事務局の横川真穂さんの司会で開始された。
 司会者から東京建築賞の意義と選考基準の説明があり、次いで選考委員の方々の紹介と受賞作品の紹介があった。小野幹雄東京都都市整備局技監は、挨拶の中で、東京都知事賞受賞作品は、都の国産木材利用促進施策の中で、高い耐震性・防災性を備えた高層建築物で、将来を見据えた優秀な提案だと語られた。各設計者への表彰状と記念品授与の後、千葉学東京建築賞選考委員会委員長より、応募80作品から32作品を選定した後、現地審査を行い、その報告を共有しながら審査を行ない、13作品を決定したこと、また、この賞を通じて建築界にどのようなメッセージを発信していくのかと、評価軸が問われる審査だったことなど、審査経緯の説明があった。その後、各受賞作品の講評が紹介された(詳しくは『コア東京』6月号参照)。今回の審査を通じて多くの議論となったのは、今までに想定もしなかった視点での取り組み公募案を前にして、今後、建築の活動は、今までのようにつくればいいというわけにいかず、この活動がどのような役割を担うのか、何を発信していくのかなど、考えさせられたとの補足説明ののち、祝辞で締めくくられた。
 次いで、児玉会長から受賞建築士事務所の多世代にわたる方々への励ましと、選考委員への謝辞の後、閉会となった。
(井出 幸子)
髙島なおき自由民主党東京都支部連合会幹事長。
東村くにひろ都議会公明党幹事長。
増子ひろき都民ファーストの会東京都議団幹事長。
福田至東京都都市整備局長。
木村修副会長の発声による乾杯。
懇親会会場風景。
懇親会(18:00~19:30 富士の間)
 会食が制限され中止が続いていた懇親会は、着席並びに人数制限というスタイルで3年ぶりに開催された。
 次の10年を見据えたビジョンをもってデジタル化、グリーン化促進に尽力していこうという児玉会長の挨拶の後、髙島なおき自由民主党東京都支部連合会幹事長、東村くにひろ都議会公明党幹事長、増子ひろき都民ファーストの会東京都議団幹事長にご挨拶をいただき、丸川珠代参議院議員の祝電も披露された。続いて東京都都市整備局の福田至局長にご挨拶をいただいた。皆様のご挨拶には5月に東京都が発表した「首都直下地震等による東京の被害想定」の見直しについての内容が一様に含まれており、当会並びに各支部での震前および震後対応についてあらためて考えさせられた。
 木村修副会長の発声で乾杯が行われ歓談が始まり、慣れない着席スタイルやアクリル板越しの聞こえづらい会食にも拘わらず懇親会は盛況に導かれていった。
 賛助会役員紹介が行われ、関和典賛助会員会代表の「明るく楽しく元気よく、夢を持ってチャレンジする」という言葉に閉塞感のある情勢への打開に向けた力強さをいただいた。塚本達二相談役の中締めから千鳥義典副会長の閉会挨拶で久しぶりの楽しい懇親は幕を閉じた。
(鈴木 文雄)
小山 充男(こやま・みつお)
東京都建築士事務所協会北部支部・会誌専門委員会、建築工房 上二 一級建築士事務所
1967年長野県松本市生まれ/武蔵野美術大学建築学科卒業
井出 幸子(いで・さちこ)
東京都建築士事務所協会・会誌専門委員会・豊島支部副理事、UIFA JAPON(国際女性建築家会議日本支部)広報担当理事、(株)井出幸子建築設計室一級建築士事務所
1950年 東京都生まれ/1972年 日本女子大学住居学科卒//1972〜2012年 (株)アール・アイ・エー勤務、各種計画・意匠設計に従事/2012年 (株)井出幸子建築設計室一級建築士事務所設立
鈴木 文雄(すずき・ふみお)
東京都建築士事務所協会理事・会誌専門委員会委員長・研修委員会委員長・墨田支部、有限会社鈴木設計一級建築士事務所
1984年 東海大学建築学科入学/1987年 同校中退、東京デザイナー学院建築デザイン科入学/1989年 同校卒業/有限会社鈴木設計一級建築士事務所入社、現在に至る
大平 孝至(おおひら・たかし)
東京都建築士事務所協会会誌専門委員会副委員長・台東支部監事
1984年 東京電機大学建築学科卒業/株式会社ダイリン一級建築士事務所勤務。マクドナルド、松屋、鳥貴族等、チェーン展開の飲食店の建築設計及び店舗デザイン設計をする
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