思い出のスケッチ #350
「高層ビルディングの森」ニューヨーク、アメリカ合衆国
金 美花(株式会社日建設計)
 韓国で政治外交を専攻し、日本に来て建築を学び直した結果、大学を2回、合計で8年も通っている変わった経歴の持ち主になった。
 ニューヨークへ行った目的は、建築を見に行くことより、自由、資本主義、民主主義を代表するアメリカを感じることであった。初めてのアメリカまでは、一四時間飛行機に乗り、到着。マンハッタンは、映画で見ていたエンパイア・ステート・ビルディング、ロックフェラー・センターなどが目の前にあり、高層ビルのミュージアムであった。マンハッタンは計画された都市であり、分かりやすい都市構図をもっていた。
 マンハッタンの真ん中で空を見上げたら、4つのビルがあり、それらにはそれぞれ異なったファサード(顔)がある。この絵は、青い空の中に、それぞれ自分の表情を主張しているビルの姿が面白いなと思って描いた。どんな姿であろうが、建物も人も自分を出すことを重要視している気がした。
 この瞬間、英語は得意ではないけれど、いつかはニューヨーカーになってみたいなと思った。
金 美花(キム・ミファ)
株式会社日建設計
1980年 韓国生まれ/韓国で政治外交学科を卒業/2004年 来日、多摩美術大学卒業/2010年(株)日建設計入社/一級建築士、PMP、応急危険度判定士、既存住宅状況調査技術者、韓国建築家協会正会員