支部リレー東京まち歩きMAP③:台東支部
谷中、路地めぐりMAP(低地エリア)
文:鈴鹿 美穂(東京都建築士事務所協会台東支部、川島鈴鹿建築計画)
Map・写真:大平 孝至(東京都建築士事務所協会会誌・HP専門委員、台東支部監事、株式会社ダイリン一級建築士事務所)
 3月号で紹介した台地エリアの「寺町めぐり」に続き、今回は谷中のもうひとつの特徴である路地を巡るコースをご紹介する。今回のコースも、谷中地区担当である台東区地域整備第三課に案内をお願いした。木密地域にあたる路地めぐりとあって、研修では防災についても考えつつ歩いたが、『コア東京』にもそのまま紹介する。
 また、谷中のまちの魅力である民家を活用した事例「HAGISO」を訪問し、谷中で同様の事業を複数展開する建築家 宮崎晃吉氏にお話をうかがった。
 JR日暮里駅からスタートし、西日暮里駅がゴールとなるこのコースでは、老舗のせんべいや千代紙から雑貨、カフェまで、お店を眺めて路地からの脱線も楽しい。
 ここに暮らす人びとの生活があっての、谷中の魅力である。とにかく狭い路地なので、住民にも配慮しながら、散策を楽しみたい。
1. 夕焼けだんだん(荒川区)。
谷中といえばここが思い浮かぶ人も多い。かつては富士山が見えた。
2. ひみつ堂(かき氷)・六阿弥陀通り。
江戸時代からあった阿弥陀参りの通り。6m道路にするべく拡幅中。かき氷は長蛇の列。
3. HAGISO外観。
谷中のいくつもの町家で事業展開する建築家 宮崎晃吉氏による「最小文化複合施設」。
3. HAGISO内部。
2階床の一部を撤去した吹き抜けの展示スペース。
4. 岡倉天心公園。
かつて日本美術院があり、横山大観ら芸術家の家が並んでいたという場所。平櫛田中作の天心像がある。
5. 谷中防災コミュニティセンター。
台東区役所本庁舎が被災し機能停止した場合には、ここが本部となるという防災拠点。
6. 谷中キッテ通り。老舗の切手専門店があることから、この名がついたといわれている。
7. 二丁目の崖。
台東区では数少ない「土砂災害警戒区域」の崖は行政には悩ましい。
8. へび道。
藍染川(谷田川)の川筋、文京区との区界となる、名前の通りの細い路地。
9. 三埼坂(さんさきざか)から路地へ。
9. 台東区立初音児童遊園(左)とみしま地蔵尊の間の路地。谷中小学校の通学路でもあり、生活に密着した路地。
10. 路地。区道から私道へ。谷中の路地はほとんどが私道だが区道になる境がある。通っていいのか躊躇する。
10. 路地。
私道から区道へ。
11. 路地の重層長屋。
12. 谷中銀座を横切りさらに路地を進む。谷中銀座に寄り道し、日暮里駅に戻ってもいい。
12. 路地の古民家をリノベーションしたカフェTAYORI。
13. 路地の拡幅整備。
13. 路地の拡幅整備。
一部拡幅されても電柱は元の場所に。路地は道灌山通りに至る。観光ならよみせ通りを歩いてもいい。
鈴鹿 美穂(すずか・みほ)
建築家、東京都建築士事務所協会台東支部、川島鈴鹿建築計画共同代表
1966年 神奈川県生まれ/1989年 東京家政学院大学卒業/1999年 川島鈴鹿建築計画設立
大平 孝至(おおひら・たかし)
東京都建築士事務所協会会誌・HP専門委員、台東支部監事
1984年 東京電機大学建築学科卒業/株式会社ダイリン一級建築士事務所勤務。マクドナルド、松屋、鳥貴族等、チェーン展開の飲食店の建築設計及び店舗デザイン設計をする
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タグ:まち歩き