現代建築を巡る支部建築研修旅行
支部だより:目黒支部
伊達 宏晶(東京都建築士事務所協会目黒支部、株式会社エキップ一級建築士事務所)
群馬県立館林美術館にて。
三和シヤッター工業「性能試験センター」を視察。
 2015年11月27〜28日の1泊2日で、東京都建築士事務所協会目黒支部の正会員、賛助会員の希望者、総勢11名で群馬・栃木方面への研修旅行を実施しました。2013年は京都、2014年は奈良と、主に古い様式の建物を見学してきましたが、今回は現代建築が中心になりました。
 初日は、まず群馬県館林市にある「群馬県立館林美術館」(設計:第一工房)へ。綺麗で広大な敷地の中に配置された端正な建物で、村野藤吾賞を受賞しています。気持ちよく散歩しながら、水盤や細い柱の連続、ガラスの使い方など、モダニズム建築を十分堪能できた見学となりました。
 次に、三和シヤッター工業株式会社のご厚意により群馬県太田市の「性能試験センター」を視察。ここでは、主にシャッターなどの防水や止水板などについて、試験装置の前で説明を受け、商品に対しての知識も増えたと思います。
 続いて蔵の街として知られる栃木県栃木市で、文化庁登録有形文化財である「横山郷土館」を見学。その後、栃木県宇都宮市大谷町の大谷石採石場跡に関する資料館「大谷資料館」へ向かいました。大谷資料館では、大谷石の採掘場跡に入りました。採掘場跡は広大な地下空間となっており、大谷石に囲まれた荘厳な雰囲気が印象的でした。
 2日目は、前日の大谷石の流れで、栃木県塩谷郡高根沢町のJR東日本「宝積寺駅」およびその駅前広場である「ちょっ蔵広場」(設計:隈研吾建築都市設計事務所)を見学。古い大谷石でできた米蔵を曳家してリノベーションした建物と、その大谷石のパターンと合わせたかたちに構造用合板を組んだ格天井の駅舎との対比が興味深いものでした。
 最後に、益子へ寄り、軽くまちあるきをした後、帰途につきました。今回の研修旅行は、建築の見学だけではなく、工場見学や建築資材である石の採掘場跡など、幅広い建築見学となりました。
伊達 宏晶(だて・ひろあき)
エキップ一級建築士事務所代表取締役、一級建築士・宅地建物取引主任者・一級土木施工管理技士
1971年 福井県生まれ/1994年 金沢大学工学部土木建設工学科卒業/1998年 ソニーファシリティマネジメント/2001年 アダージオプランニング一級建築士事務所設立参画/2005年 ユニップデザイン一級建築士事務所参画/2011年 エキップ一級建築士事務所設立、現在に至る
記事カテゴリー:支部 / ブロック情報