思い出のスケッチ #336
ボストンフィッシュピア トロール船
山田 雅明(東京都建築士事務所協会千代田支部/株式会社日建設計)
 2016年10月、私が顧問及びアジア代表を務めるASAI(アメリカ建築イラストレーターズ協会)のカンファレンスに参加するためボストンに滞在していました。ホテルからダウンタウンに歩いて向かう途中、魚の卸業者が立ち並ぶ桟橋に、地元漁師のトロール船が係留されていた風景に目が留まりました。
 根っからの船好き、魚好き、釣り好きの自分にはとても無視して通れない風景であり、どんより曇って寒い日でしたが、早速ベンチに腰を下ろし、持っていた鉛筆とスケッチブックでスケッチを始めました。
 協会のカンファレンスプログラムに、サイレントオークションという催しがあり、参加者がボストン滞在中に描いたスケッチを並べ、それぞれ好きな絵に購入金額を書き込み入札します。私のスケッチは誰がいくらで落札したのか覚えておりませんが、そういう経緯で原画は手元にありません。
 寒い中、太めの鉛筆で描きなぐった感は否めませんが、とても良い旅先の一枚となりました。
山田 雅明(やまだ・まさあき)
日建設計、アメリカ建築イラストレーターズ協会アジア地区代表及び顧問委員
1982年 名古屋芸術大学絵画科卒業/同年カリフォルニア大学アーバイン校留学、HOKロスアンジェルス等で建築イラストレーターとして勤務/1993年 帰国、日建設計 入社/多種多様なプロジェクトに参画、多国籍メンバー12名が所属するイラストレーションスタジオで設立から2020年まで室長兼アートディレクター/2011年American Society of Architectural Illustrators(アメリカ建築イラストレーターズ協会)会長に就任、東京でカンファレンス、エキジビション等を開催/現在同協会アジア地区代表及び顧問委員/エキジビションプロデューサーとして、UIA2011東京大会(第24回世界建築会議)のプログラム「国際建築イラストレーション展」を主宰、世界各国の建築イラストレーション200点余りをポーラミュージアム銀座にて展示/2018年 日建設計イラストレーションスタジオ展「Drawn to Architecture」主催、東京、大阪(生きた建築ミュージアムフェスティバル)、九州、ボストン、プロビデンス等でエキジビション開催