新宿支部ハイキング同好会
新宿支部|令和2(2020)年11月15日@日野宿本陣、高幡不動尊、大学セミナーハウス
堀口 華恵(東京都建築士事務所協会青年部会、新宿支部、中里一級建築士事務所)
今年(令和2/2020年)はコロナ禍の影響で自粛を余儀なくされていたが、10月に入って若干、旅行、移動が緩やかになったため、感染の予防を十分に図った上で、屋外でのイベントであるハイキングを1年ぶりに開催した。前回の埼玉県小川町に続く第21回の支部のハイキングである。
今回は、「日野宿、高幡不動尊、平山城址公園と歴史と文化に触れ、見て歩こう!」と題して、JR日野駅をスタートし、甲州街道5番目の宿場町日野宿、関東三大不動の高幡不動尊、大学セミナーハウスを見学。その後、長沼公園内にある100年近くの歴史のある囲炉裏料理店「鎌田鳥山」での打ち上げを行った。新選組のふるさとといわれる日野から高幡不動尊、八王子と訪ね歩きながら、歴史と自然にふれ、会員同士の親睦を深めることができた。
日野宿本陣
11月15日、心地よい風の吹く秋晴れの朝、今回は少人数ということで総勢11名が日野駅に集合し、まず初めに「日野宿本陣」へ向かった。建物は今より180年以上前(文久4/1863年)に建てられたもので、南西の「御前の間」と「上段の間」の部分が移築されて規模は少し小さくなっているが、土間と広間の境には1尺5寸(455mm)ものケヤキの大黒柱や豪華な欄間が使用されており、当時の重厚な日本家屋の素晴らしさを味わうことができた。
次に向かった「新選組ふるさと歴史館」では、エントランスホールに爪楊枝でつくられた巨大な土方歳三の壁画が飾られており、あまりの大きさに圧倒される。新選組や日野の歴史を知ることができ、興味深い時間を過ごすことができた。
高幡不動尊
休む間もなく次の目的地の高幡不動尊へ向かう。この日は七五三と骨董市が重なっていたようで、境内は多くの骨董品が並べられ、華やかな着物の子どもたちと市に訪れた人で賑わっていた。ご住職にご案内いただき、高幡不動尊は真言宗智山派別格本山、高幡山明王院金剛寺が正式名称であることや、丈六不動明王坐像(重要文化財)、不動堂(重要文化財)などの歴史を説明していただいた。今回はラムラックス(株)の大崎さんの伝手で、高幡不動尊の新築・改修を長年担当されている地元の工務店、桜建設の岡本さんに五重塔の内部を特別に案内していただいた。
五重塔は平安時代初期の様式をモデルにしたSRC造で、高さは39.8m。組物はPCコンクリートの部材を組み上げている。扉を開けるとすぐに心柱部分に螺旋階段があり、階段を必死な思いで最上階まで昇りきると、足元はふらふらだったが、そこから眺める景色は別格。紅葉に色づき始めた木々に混じる境内と北側を流れる多摩川の景色は、疲れも吹き飛ぶ絶景で、貴重な経験となった。
大学セミナーハウス
感動もやまぬまま、多摩動物公園の北側に位置する「みはらし公園」までひと山登る。青空の下で持ち寄ったお弁当を囲み、ゆったりとした時間を過ごした。お腹も満たされたことで、次の目的地でもある吉阪隆正さん設計の「大学セミナーハウス」まで、多摩動物公園の裏山を通り、象や猿の愉快な鳴き声を聞きながら向かった。
しばらく歩くと、自然に囲まれた丘の上にピラミッドを逆さにしたような形で、地面に突き刺さるようにその建物は建っており、目に焼き付くそのインパクトと、力強い迫力に圧倒された。
すっかり日も暮れてしまい、打ち上げ会場の「鎌田鳥山」までは暗闇の山道を登り向かうことに。この店は100年近く続く歴史があり、千と千尋の神隠しのワンシーンにも使用された。また、平成天皇が学習院に在学されていた昭和30(1955)年に、囲炉裏を囲んで野鳥を召し上がったとのことである。案内された席は2階で小屋梁があらわしになった開放感のある空間に囲炉裏が並んでおり、タイムスリップをしたような感覚と、柔らかく美味しい地鶏を味わいながら、1年ぶりの再開に会話も弾み、楽しい時間を過ごすことができた。
堀口 華恵(ほりぐち・はなえ)
東京都建築士事務所協会青年部会、新宿支部、中里一級建築士事務所
1983年 埼玉県生まれ/工学院大学専門学校インテリアデザイン科卒業/ 2004 年 中里一級建築士事務所入所、現在に至る
1983年 埼玉県生まれ/工学院大学専門学校インテリアデザイン科卒業/ 2004 年 中里一級建築士事務所入所、現在に至る
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