マネジメント支援センター連載企画 第2回
設計図書保管サービス
宮尾 宣央(東京都建築士事務所協会理事、マネジメント支援センター運営WG副主査、窪田建築都市研究所有限会社)
データセンターのイメージ。(画像提供:NTT東日本)
文書保管倉庫内部。(画像提供:株式会社アイ・エス・エス)
 今回は、令和2(2020)年11月より募集を開始した「設計図書保管サービス」を紹介します。
 建築士事務所は法令で定められた図面や構造計算書、監理報告書など15年間保存を義務付けられています。それ以外にも契約や経営に係る書類等、紙に捺印された保管文書は相当数あり、事務所のスペースを圧迫しているのではないでしょうか?
 また最近では、それら紙の文書をデジタルデータに変換、保管されている方もいらっしゃると思います。今度はそのデータが、日々使用されている社内のデータサーバの容量を占有するようなことになってはいないでしょうか。
 ちなみに、紙に打ち出された図面に捺印されたものをスキャンしただけで電子署名されていなければ、法的に認められた保存にはなりません。結果、紙の書類はそのまま保管しなければいけないことになりますのでご注意を。
 このように増え続ける図面や、報告書、契約書類など事務所内で保管されている書類やデータなどを、NTT東日本と提携して、デジタルデータ、紙の書類それぞれを安全に外部保管できるサービスをスタートします。
データ保管(シェアクラウドサービス)のご紹介
 NTT東日本が提供しているストレージサービスをマネジメント支援センターが大容量で一括契約します。それを会員の皆様でシェアすることによって、安価な会員価格で少ない容量から利用できるサービスです。
 NTT東日本のデータセンターは、安全な立地に免震構造を採用した地震などの自然災害に強い建築で、データを安全に守るための電源設備や空調設備、セキュリティなどを完備した施設です。
 皆様も社内でのデータ管理でバックアップ用のサーバや、停電や雷などの被害を想定して無停電電源装置の準備やメンテナンスなどいろいろと対策はされていると思いますが、より安全な別の場所にバックアップを置くという対策も検討されては如何でしょうか。
 またテレワーク化が進んでいる昨今、シェアクラウドを社内の共有サーバのひとつとして、データのやり取りや保管場所として利用することもできます。
料金(税別):50円/GB
※早期にお申し込みの方に一定期間、特別価格でご提供いたします。
サービス提供元:NTT東日本
紙面保管のご紹介
 NTTは設備の省スペース化などで余剰スペースのできた局舎などを利用して、文書専用の保管サービスを行っています。元々堅牢な局舎に書架を設置し、管理、保管のほか、文書のデータ化や最終的には溶解処理までを行っています。そのサービスを会員の皆様がご利用しやすい価格で提供するものです。
 内容は、指定の段ボール箱(430×330×300mm)に梱包した書類を専門業者が引き取りに伺い、書庫まで運搬、保管するというものです(オプションで段ボールへの梱包代行サービスもあります)。
 保管中の書類が急に必要になった場合でも、迅速に収納されている段ボール箱をお届けするサービス(有償)もあります。
 その他A0まで可能なスキャニングサービスや、不要になった書類の溶解処理なども会員価格でご提供します。
料金(税別):
梱包、運搬費=1~10箱まで3,000円
11箱以降=250円/箱
保管料=月々80円/箱
その他、詳細な各種料金につきましては、会員価格料金表を準備いたします。
15年間長期保管プラン
 さらにマネジメント支援センターでは、これら「設計図書保管サービス」に独自のサービスとして、15年間長期保管プランを準備しました。
 保存義務の15年間分の保管料の他に、梱包運搬費、最終の溶解処理費の料金を一式の料金で保管、管理をするサービスです。
 特色として万が一事務所が廃業となっても、マネジメント支援センターに保管書類の管理を移譲していただくことによって、皆様に代わって引き続き書類の管理をお約束します。
 設計図書がしっかり管理されることで、クライアントも安心していただけるのではないでしょうか。
 多くの皆様がご利用いただく事によって、今後サービスの充実も図っていけますので、ご検討お願いいたします。
 サービス提供元:株式会社アイ・エス・エス(NTT東日本グループ)。
宮尾 宣央(みやお・のぶひさ)
東京都建築士事務所協会理事、窪田建築都市研究所有限会社
1967年北海道生まれ/いくつかの設計事務所を経て、2004年 窪田建築都市研究所有限会社入社/2009年 同社取締役就任/目黒支部