「建築ふれあいフェア2015」開催
テーマは「MEET THE ARCHITECTS──プロフェッショナルの想い」
建築を通して生活環境の整備や震災対策の促進などに取り組む建築士事務所の仕事を多くの皆さんに理解していただき、東京を安心で安全、地球環境に貢献する美しいまちにしていくことを共に考えるイベント「建築ふれあいフェア2015」が、今年も9月26日(土)〜28日(月)、新宿駅西口広場 イベントコーナーで開催されました。

●日時 2015年9月26日(土)〜28日(月)
10:00〜19:00/9月26日14:00 オープン/9月28日16:00 終了
●会場 新宿駅西口広場 イベントコーナー
●主催 一般社団法人東京都建築士事務所協会
●共催 新宿区
●後援 東京都、東京建築士会、日本建築構造技術者協会、日本建築家協会関東甲信越支部、東京建設業協会
東京都立美原高等学校「和太鼓部」の和太鼓演奏。
児童画展入賞の児童と共に記念撮影。(撮影:倉持 健夫)
オープニングセレモニー(9月26日 15:00〜)
 昨年と同じく、オープニングセレモニーが、東京都立美原高等学校「和太鼓部」の力強い和太鼓の響きで始まった。
 主催者代表の大内達史会長は、事務所協会では「防災・耐震対策やオリンピック、パラリンピックなどの未来へ向けたテーマを掲げて活動している」ことを紹介すると共に、「協力を頂いている新宿区への感謝」を表した。
 続いて、吉住健一新宿区長から、新宿区としては、東京都や事務所協会と連携しながら「安心して住み続けられる、逃げないで住める街づくり」を志している旨の挨拶があった。
 東京都都市整備局市街地建築部建築企画課の相羽芳隆課長からは、東京都が「美しい風格のある都市計画、環境と調和した都市の実現を目指している」ことを紹介いただいた。
 壇上の来賓の紹介ののち、建築ふれあいフェア特別委員会の脇宗一郎委員長の開会宣言と共に、今年も建築ふれあいフェア2015が開幕した。
 再び、美原高等学校和太鼓部によって、2曲の演目が演奏された。「楽しんで演奏したいと思います」という言葉の通り、赤と黒の衣装に身を包んだ一同は、にこやかな笑顔で和太鼓の魅力を伝えてくれた。2曲目の「きらめき」という曲は、関東地区高等学校和太鼓選手権で3年連続金賞を受賞したというだけあって、静寂と躍動を見事に使い分けた演奏であった。これこそが日本! と思える音色・リズムであり、オリンピック、パラリンピックへ向けてのジャパニズムムードを盛り上げてくれる、素晴らしい幕開けとなった。
 さらに、今回は「児童画展」の表彰も行われた。児童画展に入賞した4名の児童がひとりずつ呼ばれ、大内会長から表彰状が授与された。来賓の一同と集合写真を撮り、オープニングセレモニーが終了となった。
(倉持 健夫/『コア東京』編集委員)
新宿セミナー(9月28日 11時〜)
 毎年恒例の新宿区による新宿セミナーが最終日の11時より開催された。
 まず新宿区都市計画部都市計画課主任主事の宇田川利幸氏より、新宿駅の東西を結ぶ自由通路の整備工事について説明があった。新宿駅は東口と西口を行き来するのには、かなり遠回りするか、お金を払って改札を通らなければいけない。これを解消しスムーズな動線にするための地下通路(幅員約25m)の工事が、JR東日本が事業主体となり、行われている。国内に2台しかない最大級のクレ-ン車を導入して、工事桁の架設工事が進行中であるが、電車が動いていない非常に短い時間帯で、多くの作業員が緻密な計画のもとに作業しているそうだ。東口広場と西口広場の再生計画の話も出ていて、今後駅周辺の建替えが進んでいくことも期待できるということだ。完成は2020年を予定。東京オリンピック、パラリンピックも開催されるので、どのような賑わいになるのか楽しみだ。
 続いて新宿区都市計画部地域整備課主事の渡部敬介氏より、新宿区建築物等耐震化支援事業の取り組みについて説明があった。助成制度において、木造建築物の耐震改修工事の補助対象工事費の上限額が300万円というのは、23区内でもトップクラスだ。また、道路に突出した建物や無接道建物にも追加要因を設けて助成を認めているのも特徴で、平成24年7月から実施し成果を上げているそうだ。また重点地区を定めたり、上部評点0.7以上1.0未満でも助成するなどきめ細かい対応をしている。そして耐震化の啓蒙活動として地域イベントへの参加、「マンション啓発隊」による分譲マンションの訪問、危険度の高い地区の木造住宅への戸別訪問などにも力を注いでいるとのことだ。
 「耐震は一段落」との声も聞かれる中、「よりいっそうの耐震化を進めていく」姿勢を感じた。
(田口 吉則/『コア東京』編集委員)
新宿駅東西自由通路
 新宿駅の東口と西口を結ぶ自由通路は幅員約25mで、JR東日本が事業主体となり建設される。完成は2020年の予定。
新宿セミナーでの講演風景。左は新宿区都市計画部都市計画課主任主事の宇田川利幸氏。(撮影:田口 吉則)
脇宗一郎実行委員長(左)と松枝廣太郎理事(右)。
閉会式とエピソード
 閉会式は脇実行委員長の司会でスタート。松枝理事の「今年はシンプルな企画で開催したが、多くの人に来場していただき、また委員や各支部にもご協力いただき本当にありがとうございました」と感謝の挨拶に続き、脇実行委員長が閉会宣言を行った。例年通り実行委員の皆さんは「後片付け〜御苦労さん会」へと流れたはずだが、残念ながら私は予定があり欠席した。ご協力下さった皆さん、今年もありがとうございました。 (安田 浩司/『コア東京』編集委員)
エピソード①
 数支部がブースでパネル展示を行っていたが、さすが地元の新宿支部!! パネル展示だけでなく「折り紙建築」の実践と体験コーナーを設けていた。最終日(月曜)にも数組を見たが、聞くところによると土日は子ども連れで多くの人が体験したそうだ。
エピソード②
 今年はイベントがほとんどなかったが(シンプルなフェアを心掛けた)、企画のひとつに「模型」があった。都内の大学数校による模型の展示は多彩で、その発想などとても面白い。思わず40年以上も前の学生時代を思い出してしまった。
倉持 健夫(くらもち・たけお)
株式会社倉持設計工房、東京都建築士事務所協会編集専門委員、墨田支部
1970年生まれ/1992年 浅野工学専門学校 建築工学科卒業
田口 吉則(たぐち・よしのり)
(株)チーム建築設計代表取締役、東京都建築士事務所協会編集専門委員、江戸川支部
1953年東京生まれ
安田 浩司(やすだ・こうじ)
建築家、アーキテム・安田計画設計室、東京都建築士事務所協会編集専門委員会、渋谷支部
1954年生まれ/1978年 東京デザイン専門学校卒業
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