青年部会主催「法規と基礎工法」セミナー
青年部会|平成31(2019)年3月14日(木)@本会会議室
川手 謙介(東京都建築士事務所協会青年部会、新宿支部)
セミナー風景。(撮影:筆者)
 年度末の多忙な時期ではあったが、青年部会の主催するセミナーを正会員はじめ会員事務所のスタッフや多くの方に、いま話題の情報を共有及び参加者の交流を深める目的として、総勢44名の参加者を集めてセミナーを開催した。
 脇宗一郎青年部会長より、時代の変化に対応するべく今回のセミナーを実務につなげる一助にしていただければとの挨拶に始まり、①世界で一番やさしい建築基準法──平成30年改正点を中心として、②ボーリングと電気式コーン貫入試験のダブルサウンディング工法、③TNT工法/従来型基礎工法の常識を覆す新工法、と3つのテーマについて各社30分と10分程度の質疑応答時間を目処に説明をいただいた。
① 清綱博行株式会社東京建築検査機構確認検査事業部副部長より、既に施行から数カ月が経ち、20項目以上にわたる改正のため実務で関わられている方も多いと思うがと前置きの上、改めて今回の改正のポイントについて説明していただいた。木造建築物の普及やストック型社会への対応など、社会情勢を絡め、今後もパブリックコメントを広く求め改正が行われていくとのことであった。
② 岡信太郎株式会社地盤試験所地質調査部課長より、構造への信頼性向上が強く要求されていることを踏まえて信頼性の高い地盤調査方法の一例について説明していただいた。これまでは建築士事務所との交流が少ないとのことだが、調査方法の長所短所を踏まえた説明であったので選択の幅がより広がったのではないかと思う。
③ 大田英佑タケウチ建設株式会社営業部部長より、東北地方太平洋沖地震の前に施工した実例の現状を実績を絡めて説明していただいた。従来の杭を用いずに地盤改良とベタ基礎とで基礎を築く特殊工法で、環境への配慮など、これについても建築士事務所の設計実務の選択の幅が広がったのではと思う。
 仕事を終えた後の18時から20時の約2時間という長丁場ではあったが、参加者の意識は高く、真剣に聴講する参加者の表情が印象的であった。そこから23名の方が懇親会へ会場を移し、杯を傾けながら今回のセミナーについて補足情報を含め交流を続けた。
 青年部会の主催に相応しいセミナーを今後も企画していく予定ですのでぜひ多くの皆様に参加いただければと思います。
川手 謙介(かわて・けんすけ)
東京都建築士事務所協会新宿支部、青年部会幹事、三悦建築設計事務所代表取締役
1968年 東京市谷生まれ/日本大学生産工学部建築工学科(建築史山口廣研究室)卒業/第一設計入社後取締役企画設計室長を経て現在、三悦建築設計事務所代表取締役/TAAF青年部会幹事/新宿支部