建築安全消防講習会に参加
足立支部|平成30(2018)年11月15(木)15:00~@千住消防署3階防災教室
渡部 淳一(東京都建築士事務所協会足立支部、渡部工務店一級建築士事務所)
講習会風景。
消防隊員が出動時に身に着ける装備を実際に着用。(撮影:筆者)
 毎年秋に行っている足立支部の消防講習会。今年は千住消防署様のご協力を得て会員並びに会員事務所の社員を含め18名の参加で盛大に行われた。
 村田雅利支部長の、日ごろの支部会員の尽力への感謝と、設計に係る消防法の重要さを改めて勉強してほしい旨の挨拶で始まり、今野正樹千住消防署予防課長より、今年度の千住管内、足立区内、東京消防庁管内における火災の状況説明等の話があった。主な出火原因は、1位にタバコ、2位以下に、放火、電気器具、ガステーブルと続く。いまだに放火による火災が多いという現状に、防ぎようのない恐怖を感じた。
 その後、柿沼健史予防課予防係主査、園部朝美同副主査から、火気回りの火災事例、消防法施行令及び消防法施行規則の一部改正、住宅民泊事業法(民泊)に関する消防法の取り扱いについて話をうかがった。ガス機器と壁との距離が規定通り施工されていても、コンロからはみ出すほどの大きな鍋を火にかけることで壁面は継続的に熱を受け、壁内構造によっては壁内から出火するという事例を交えて、火災の予測できない怖さをうかがった。また、平成28(2016)年12月に新潟県糸魚川市で発生した大規模火災は、周囲環境や火災設備の不備、人的ミスによる要因であり、現在は消防法が改正され、消火器の設置義務が定められたとのことであった。
 また、消防隊員が出動時に身に着ける装備を実際に着用し、その重さや動きにくさを体験。改めて消防隊の方々のたいへんさを実感した講習会だった。
 皆さんも絶対に火災を起こさないよう、また起こさせないよう日ごろから注意していただきたい。
渡部 淳一(わたなべ・じゅんいち)
東京都建築士事務所協会足立支部副支部長、渡部工務店一級建築士事務所代表取締役
1960年東京生まれ