千代田支部秋期研修会──タイル⼯場ほかを⾒学
千代田支部|平成30(2018)年10⽉24⽇@株式会社日東製陶所多治⾒⼯場ほか
古田 秀行(東京都建築士事務所協会千代田支部編集委員、株式会社エノア総合計画事務所)
日東製陶所前での記念撮影。
永保寺散策(撮影:筆者)。
 今年の研修会は22名が参加し、⽇帰りで岐⾩県多治⾒市に遠征した。
 「⽇本⼀暑いまち」として有名な多治⾒市は美濃焼の産地として知られている。今回は千代⽥⽀部の協⼒会員で、多治⾒市に本社及びタイル⼯場があり68年の歴史を持つ株式会社日東製陶所のタイル⼯場⾒学を中⼼に研修会を⾏った。
 JR多治⾒駅に10時40分に集合。まず訪れたのが、藤森照信さんの設計で有名な「多治見市モザイクタイルミュージアム」。ユニークな外観のみならず、⼤正時代に始まったタイル産業の歴史を展⽰物や写真で学べるとても楽しい施設だ。
 その後マイクロバスで日東製陶所が直営する「スワンタイルカフェ」に移動して昼⾷をいただいた。こちらは3年ほど前に美濃焼卸団地内の倉庫をリノベーションしてつくられており、吹き抜け空間とロフトなど今⾵なインテリア空間で⾷事を楽しめた。
 昼⾷後、⽇東製陶所多治⾒⼯場に移動。タイルの製造過程である、成型、施釉、焼成、選別、加⼯の各⼯程を⾒学した。1260°という⾼温で焼結されるという窯は、その熱のパワーに圧倒される。⼯場内は空調があるわけではないが、断⾯形状と開⼝部形状により、⾃然通⾵をうまく取り⼊れる⼯夫が施されている。また⼯場内は若い⼥性が多く、⽣き⽣きと仕事に励む姿が印象的であった。
 多治⾒⼯場を後にし、最後に永保寺を⾒学した。鎌倉時代末期の1313年の創建で、夢窓疎石を開創とする。「観⾳堂」と「開⼭堂」のふたつの国宝があり、国指定の名勝に指定された池泉回遊式庭園や、⽇本百名橋に選ばれている「無際橋」も楽しめる。特に観⾳堂の⼊⺟屋造り檜⽪葺きの軒の反りはとても美しい造形で感銘を受けた。
 ⾒学終了後は多治⾒駅近くの割烹居酒屋「⼆代⽬浪花」にて懇親会を⾏い現地解散。東京から岐⾩県多治⾒市へ駆け⾜の研修会だったが、株式会社日東製陶所の全⾯的なご協⼒により、充実した研修会とすることができた。
古田 秀行(ふるた・ひでゆき)
株式会社エノア総合計画事務所取締役 計画設計第一部長、東京都建築士事務所協会千代田支部編集委員
1957年 東京生まれ/1979年 日本大学生産工学部建築工学科卒業/株式会社間組建築設計部を経て、2003年 株式会社エノア総合計画事務所入社、現在に至る