新会員懇談会レポート
平成27年度 第1回新会員・特別会員・賛助会員懇談会(2015年9月8日)
安田 浩司(東京都建築士事務所協会編集委員/アーキテム・安田計画設計室)
谿口 阿佐美(東京都建築士事務所協会賛助会/JFE鋼板株式会社)
懇談会会場にて。新会員(後列)と正副会長。
懇談会に出席した新会員のみなさん。
懇談会(15:30~17:00、本会会議室)
 半年ごとに行われる新入会員を迎えての懇談会が、9月8日に行われた。会場は移転したばかりの本部の真新しい会議室。参加者は4月~7月の半年間に入会した40事務所の内の10事務所と、大内達史会長はじめとする理事と会員委員会のみなさん。司会の開会挨拶に続き大内会長から入会のお礼と挨拶があった。
会長挨拶(要旨)
 この度の改正建築士法では、実現するためには国会議員などへの働きかけが必須であったが、事務所登録の総数に対し会員の比率(組織率)が少ないことで苦労をした。地方によっては組織率が20~30%の協会もあるが、東京では約10%。会として行政にいろいろな要望をしてもなかなか取り上げてもらえない。会員を増やすことでわれわれの業務の重要性をより社会に理解してもらうよう、協力していただきたい。よく言われる「会員のメリット」だが、最大のメリットは「会員同士の交流」による情報交換だろう。もちろんその他にも、協会として都や国に公共の調査義務などを一括して委託していただくよう要望するなど、会員の仕事の機会を広げる活動も行っている。若い人の建築離れが進んでいるといわれているが、教育を含めてその対策も考えていかねばならない。新会員の皆さんのこれからの協力に期待する。
入会動機は?
 会長挨拶に続いて、各理事が担当委員会の役割と共に自己紹介を行った後、新会員の皆さんが入会動機や業務内容を含めて自己紹介。そして前川秀則専務理事が協会機構と各委員会などの役割説明や事業計画の概要説明を行った。
 耐震関係を入会のきっかけとする事務所は少なくない。各支部の努力による行政との連携で培ってきた耐震助成制度の条件など、事務所協会会員であることを必要とする自治体が多いことの表れであろう。ただし、助成内容は自治体により条件や金額が異なっており、これを統一してほしいとの意見があった。これは建築物の種類やインフラなどに地域性があり、なかなか難しい問題ではある。
 入会の動機は「人づくり、ものづくりへの参加」、「地元に根差した仕事」、「報酬算定関連」などさまざまだった。また、事前のアンケートでは「業務に繋がると思った」、「同業他社との交流(情報交換!)」、「知人の紹介(会員増強の成果?)」が入会動機の約50%。ちなみに『コア東京』を読んでいると回答したのは約40%だった。
新会員の意見
 今回の懇談会の新会員の意見で特に興味を覚えたのは、三浦啓祐さんが主な業務とする「リノベーション&空き家問題」である。まさにマスコミでも盛んに取り上げられている近年話題の案件であり、関連した業務を行っている会員を募って情報交換や情報発信を行ういい機会であろう。『コア東京』でもぜひとも取り上げたい。その他にも杉崎健一さんが提唱した「構造デザイン」というのがある。協会でも「意匠設計者のための構造」というセミナーなどは行われていたが、新国立競技場のこともあり大いに興味を惹かれた。
(文と写真:安田 浩司/『コア東京』編集委員)
総勢120人の交流会。
交流会(17:20~18:30、「クルーズ・クルーズ新宿」)
 会場を移し、17時20分より交流会が行われた。交流会には新会員11名、役員・理事・支部長65名、賛助会員44名の総勢120名が参加し、広い会場を多くの人で埋め尽くした。
 交流会は高嶋寛青年部会長の司会で始まり、大内会長の挨拶、陰山日出也理事の音頭で乾杯と続き、歓談に入った。間もなく、高嶋青年部会長の進行のもと、ブロック別新会員の紹介が始まった。ブロックごとに前に出ての会員の紹介は、それぞれブロックの特色が出ており、途中他ブロックからも声が飛ぶなど、会場全体が盛り上がった。また、この頃になると、ブロックを超えて歓談する姿もよく見られた。
協会に望むこと、新会員に望むこと
 新会員の方がたに協会に望むことをうかがうと「設計事務所、建築士事務所協会一体となり、協働していい街をつくっていきたい」や、「このような会やゴルフなどのイベントなどで交流を深めていきたい」との声が聞かれた。
 また、既存会員に新会員に望むことを伺うと「新会員が入ることで活性化する。しかし、ただ入るだけではいけない。支部、ブロック、本部での活動とつながっていくことが全体の活性化につながる」と、支部・ブロック活動への積極的な参加を期待する発言があった。
 ブロック別挨拶の後は、初めての試みとして、新会員と賛助会員の名刺交換および賛助会員の自己紹介の時間が設けられた。この取り組みについては賛助会員からも感謝の声が聞かれ、正会員・賛助会にとってより充実した会にしようという思いが感じられた。
 いよいよお開きの時間が近づき、高嶋青年部会長より新会員から2名の方が青年部会に入会されたとの報告の後、竹松和利副会長の挨拶でお開きとなった。交流会はあっという間であったが、新会員・会員・賛助会員にとって充実した時間であった。今回のご縁が長く続くことを願っています。
(文と写真:谿口 阿佐美/賛助会)
安田 浩司(やすだ・こうじ)
建築家、アーキテム・安田計画設計室、東京都建築士事務所協会編集専門委員会、渋谷支部
1954年生まれ/1978年 東京デザイン専門学校卒業
谿口 阿佐美(たにぐち・あさみ)
東京都建築士事務所協会賛助会情報委員、『コア東京』コントリビューター、JFE鋼板株式会社 流通営業部第一室
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