『渋谷報』は私が入会する以前のおよそ20年前から、今は退会した元会員が主となり毎月発行されるようになった。
私が担当を引き継いだのは、前任者が退会した2009年4月である。当時の瀬尾敏明支部長をはじめ、支部の主なメンバーで新渋谷報の編集方針について熱く語りあった。その結果、旧渋谷報の基本的な編集方針は引き継ぎつつ、表面には渋谷区や渋谷支部、第3ブロックで主催したその月の行事や重要な情報を載せ、裏面には渋谷支部が関係する2カ月分のスケジュール、その月に行われた渋谷支部役員会での報告事項・協議事項内容、会員の入会・退会・変更情報、そして「梅左衛門の一寸一杯」という新コーナーを設けることとなった。
特に新コーナーの「梅左衛門の一寸一杯」の内容については、編集会議にいちばん時間を費やした。まず、「梅左衛門」という架空の人物をつくり、彼を商家の2代目の道楽若旦那という設定にし、美味い料理、美味い酒を出す店があると聞けば場所を問わず、飲み仲間を引き連れて神出鬼没に飲み歩くというコンセプトで、都内および近郊の居酒屋を巡るという内容になった。
始めた当初は編集関係者の知っている店の紹介だったが、このコーナーの反響が意外に大きく、「表面は読まないけどこれだけは読んでいる」とか、「ここだけ切り取って手帳に挟んでいる」などの感想を耳にする機会が増えた。それと同時に、この「コーナーにぴったりの店があるよ」と紹介してくれる方々も現れた。今ではお店を紹介してもらい、その紹介者の方と共に取材を兼ねて飲みに行く、また、当時の瀬尾支部長に支部長会で声をかけてもらい、他支部の方々が集う居酒屋で一緒に飲むなど、このコーナーのおかげで色々な方と「飲ミニケーション」で交流を深める機会を得られている。
渋谷区役所をはじめ関係する行政機関にも配布しているため、思いもよらないところで、思いもよらぬ人から「梅左衛門いつも読んでるよ」と声を掛けられることがある。
そしてこの月に1回の飲み会は現在も続いており、気付けば今月で77回を迎える。
月刊『建築士事務所 渋谷報』2015年8月号より
今回は、渋谷支部山本会計のお薦めで、清澄白河駅すぐ近くにある「梅仁」を訪れた。店の入り口の赤暖簾をくぐると、店内はカワンタ 一席が10席ほど、奥には4人掛のテーブルが3卓あり、壁には書家の柿沼康二さんが名物「蓮根饅頭」を食べて感動して書いたという『泥中蓮』という書が掛けられている。
この店の店主のこだわりは、提供する海産物は産地を明記した天然ものを使用することである。
野菜や加工品でも出来る限り産地、由来のはっきりしたものを、という芯の通った食材選びをしているという。
そこで今回、我々は刺身の盛り合わせ、温泉やっこ、京都産の鯖のヘしこ焼、大将自慢のイカの塩辛、そして一番人気の蓮根饅頭などを頼んだ。
刺身が美昧いのは言うまでもないが、温泉やっこは豆腐に温泉たまごの昧がする塩がかかったもので不思議な昧である。蓮根饅頭はカリッと揚げた饅頭の上に繊細で旨みのあるあんがかかっており一番人気だけのことはある美昧しさだ。
この店の酒も店主が名前ではなく、中身で選んだという日本酒が多数取り揃えてある。今回我々もその中から幾つか選び飲み比べて楽しんだ。(梅)
所在地:江東区白河2-8-5 TEL: 03-3820-6767
渋谷支部のホームページの渋谷報コーナー( http://shibuya.co/sibuhou.html )で、バックナンバーのPDFを閲覧できます。
私が担当を引き継いだのは、前任者が退会した2009年4月である。当時の瀬尾敏明支部長をはじめ、支部の主なメンバーで新渋谷報の編集方針について熱く語りあった。その結果、旧渋谷報の基本的な編集方針は引き継ぎつつ、表面には渋谷区や渋谷支部、第3ブロックで主催したその月の行事や重要な情報を載せ、裏面には渋谷支部が関係する2カ月分のスケジュール、その月に行われた渋谷支部役員会での報告事項・協議事項内容、会員の入会・退会・変更情報、そして「梅左衛門の一寸一杯」という新コーナーを設けることとなった。
特に新コーナーの「梅左衛門の一寸一杯」の内容については、編集会議にいちばん時間を費やした。まず、「梅左衛門」という架空の人物をつくり、彼を商家の2代目の道楽若旦那という設定にし、美味い料理、美味い酒を出す店があると聞けば場所を問わず、飲み仲間を引き連れて神出鬼没に飲み歩くというコンセプトで、都内および近郊の居酒屋を巡るという内容になった。
始めた当初は編集関係者の知っている店の紹介だったが、このコーナーの反響が意外に大きく、「表面は読まないけどこれだけは読んでいる」とか、「ここだけ切り取って手帳に挟んでいる」などの感想を耳にする機会が増えた。それと同時に、この「コーナーにぴったりの店があるよ」と紹介してくれる方々も現れた。今ではお店を紹介してもらい、その紹介者の方と共に取材を兼ねて飲みに行く、また、当時の瀬尾支部長に支部長会で声をかけてもらい、他支部の方々が集う居酒屋で一緒に飲むなど、このコーナーのおかげで色々な方と「飲ミニケーション」で交流を深める機会を得られている。
渋谷区役所をはじめ関係する行政機関にも配布しているため、思いもよらないところで、思いもよらぬ人から「梅左衛門いつも読んでるよ」と声を掛けられることがある。
そしてこの月に1回の飲み会は現在も続いており、気付けば今月で77回を迎える。
月刊『建築士事務所 渋谷報』2015年8月号より
第75回「梅左衛門の一寸一杯」
~清澄白河『梅仁』~今回は、渋谷支部山本会計のお薦めで、清澄白河駅すぐ近くにある「梅仁」を訪れた。店の入り口の赤暖簾をくぐると、店内はカワンタ 一席が10席ほど、奥には4人掛のテーブルが3卓あり、壁には書家の柿沼康二さんが名物「蓮根饅頭」を食べて感動して書いたという『泥中蓮』という書が掛けられている。
この店の店主のこだわりは、提供する海産物は産地を明記した天然ものを使用することである。
野菜や加工品でも出来る限り産地、由来のはっきりしたものを、という芯の通った食材選びをしているという。
そこで今回、我々は刺身の盛り合わせ、温泉やっこ、京都産の鯖のヘしこ焼、大将自慢のイカの塩辛、そして一番人気の蓮根饅頭などを頼んだ。
刺身が美昧いのは言うまでもないが、温泉やっこは豆腐に温泉たまごの昧がする塩がかかったもので不思議な昧である。蓮根饅頭はカリッと揚げた饅頭の上に繊細で旨みのあるあんがかかっており一番人気だけのことはある美昧しさだ。
この店の酒も店主が名前ではなく、中身で選んだという日本酒が多数取り揃えてある。今回我々もその中から幾つか選び飲み比べて楽しんだ。(梅)
所在地:江東区白河2-8-5 TEL: 03-3820-6767
井桁 正美(いげた・まさみ)
建築家、オルカ一級建築士事務所代表
1960年東京都生まれ/1983年 東京工芸大学工学部建築学科卒業後、株式会社エム建築事務所/1989年 株式会社エイムクリエイツ/1996年 イゲタ建築・デザイン事務所開設/2012年 オルカ一級建築士事務所に事務所名を変更
1960年東京都生まれ/1983年 東京工芸大学工学部建築学科卒業後、株式会社エム建築事務所/1989年 株式会社エイムクリエイツ/1996年 イゲタ建築・デザイン事務所開設/2012年 オルカ一級建築士事務所に事務所名を変更