ブロック会研修旅行──古都奈良を訪ねて
第5ブロック|平成30(2018)年6月8〜9日@奈良
蓼沼 芳(東京都建築士事務所協会江東支部副支部長)
撮影:岩﨑 孝一、鈴木 良明、蓼沼 芳


 ことの始まりは、次の5ブロックの研修旅行はさてどこに? という時の、「奈良の唐招提寺はいいよ。ぜひみんなで見に行こうよ」と当協会の児玉会長のひとことでした。5ブロック内でも、それではぜひ行きたいという方が多く、奈良への一泊旅行が決まったのです。
円成寺(JRポスター「うましうるわし奈良」でおなじみ)。
奈良ホテルで日本料理ランチ。
 6月8、9日の金土に第5ブロック会所属支部計19名で行ってきました。東京駅集合、新幹線で京都駅へ、あとは貸切バス。コースは幹事が希望者から行きたい見たいの要望を聞き旅行代理店と綿密に打ち合せた上でのことです。
東大寺金堂(大仏殿)。
正倉院。
 1日目のメインはやはり東大寺。ほとんどの参加者は大仏様を拝んだことがあり、今回は正倉院に注目しました。このプロポーションは何年建築に携わっていても見ていると胸にジーンとくるものがありました。
唐招提寺南大門を潜って(木原さん解説)。
唐招提寺金堂。
 2日目はいよいよ唐招提寺。朝からボランティアガイド案内付きです。何といっても国宝金堂はアプローチからの屋根が素晴らしい。児玉会長によるとこの偉容は巧みな計算に基づいてつくられているとのこと。盲目の鑑真和上には見えていたのかもしれません。
薬師寺西塔(白鳳伽藍)。
薬師寺食堂(白鳳伽藍)。
薬師寺礼門(玄奘三蔵院伽藍)前にて。
平城宮跡歴史公園朱雀門。
 次の薬師寺では対比的に説明をしてもらい、ふたつの寺の特徴が手に取るように分かりました。両者とも現在、寄進などが盛んで新しい造営に励んでいます。古来のものが現代、そして次代へも受け継がれていく様は悠久の時を感じさせます。
 そんなことを思う間もなく次の目的地へ。なら・観光ボランティアガイドの会の副理事長、木原明彦さんの専門的なお話を聴けたことは、わが東京都建築士事務所協会第5ブロック研修旅行の醍醐味。幹事によれば、木原さんは元竹中工務店勤務とのことで、東京から来た建築士に聴いてもらえてよかったと誇らしげな言葉をいただいたそうです。
 最後は平城京跡、復元された朱雀門や「いざない館」を始めとする展示館等を各々の興味に応じて見学をしました。
奈良・万葉若草の宿 三笠前にて。
同宿での懇親会。
 研修の合間のひとときは宿での懇親会。コンパニオン会社のミスで4名のところが6名もの美女が集まってくれました。今話題の「柿バター」がお土産にいいなど地元奈良の話で盛り上がり、誰もが奈良に愛着を持ったところで、はい、お開き。あっと言う間の宵でした。
おわりに
 コースも天気も食事も酒も仲もよく、5ブロック会の運営にも弾みがつくというものです。白石秀樹江東支部長には知合いの旅行代理店の方に声をかけ、段取り、集合点呼、宿・食事の確認、折衝まですべてを担当していただきました。すべてが良かったことで疲れが吹き飛んだことでしょう。お疲れ様でした。
 ひとつ残念だったのが奈良に行こうと端緒をつくった児玉会長の参加が叶わなかったことです。
蓼沼 芳(たでぬま・かおる)
東京都建築士事務所協会研修委員、江東支部副支部長、株式会社阿波設計事務所執行役員 東京支店支店長
1961年生まれ/1986年 東京工業大学大学院修了/2008年年 株式会社阿波設計事務所入社