年頭のご挨拶
東京都建築士事務所協会
児玉 耕二(一般社団法人東京都建築士事務所協会 会長)
 新年あけましておめでとうございます。
 一般社団法人東京都建築士事務所協会の会員、賛助会員の皆さまには、平成30(2018)年の新年を健やかに迎えられたことを心よりお慶び申し上げます。東京五輪2020が2年後と迫る中、今年はいろいろな競技施設のほか、ホテルなど関連プロジェクトの進展が見えてくる年になりそうです。
 また、今年は当協会にとりましてとても重要な節目の年となります。昭和23(1948)年に設立された当協会は、今年、70周年を迎えます。とても長い歴史であり、その間、山あり谷ありのいろいろな出来事があったことと推察します。これまで当協会を盛り上げ奮闘努力された先人の方々の努力に敬意を表します。この機会に、過去を辿り、歴史を学び、未来に向けて前進する礎にするため、記念式典、記念誌の発行等の記念行事を行います。記念式典は平成30(2018)年5月31日に「明治記念館」で開催します。ここはかつて毎年の定時総会を行っていた思い出の場所であり、またすぐ近くには建設中の「新国立競技場」があり、過去と未来に思いを巡らせるにはよい場所です。記念式典に限らず今年1年は「建築ふれあいフェア」等の協会行事を周年記念事業の一環と位置付け、未来に向けて建築士事務所の仕事や協会のあり方を考える機会としたいと思います。会員の皆さまの積極的参加、協力をお願いします。

 私は昨年(2017年)11月に会長に就任しました。新米会長ながら、会員の方々の暖かいご支持と後押しのお陰で何とか会長職を始動したところです。今のところ体力と蛮勇に任せて職務に臨んでいます。

 今年の方針として、私は推進したいことが3つあります。
 ひとつ目は、働き方改革を、可能なものから一歩でも二歩でも進めていきたいと考えています。クライアントニーズの実現や作品の質の向上を最優先にひたすら努力を重ねてきた建築士事務所ですが、今、働き方や人材活用を見直す時期にきています。昨年より始まった「団体課題別人材力支援事業」の施策も、建築士事務所の働き方を考え直すきっかけになると思います。すぐに100点満点の答とはいきませんが、目指すべき方向を見据えて模索していきます。
 ふたつ目は地域に期待される存在になることです。建築界において当協会ほど地域に密着し、地元自治体と連携して活動している団体はないと思います。空き家問題も地域によって意味は大きく異なり一概に語れません。地域固有の課題も多く、地域に根付きながら専門家としての職能を活かし解決に寄与していくことが求められています。地域社会のニーズを踏まえつつ、街づくり協議や建築相談等、地域に根付いた支部活動をさらに推進していくことは、建築士事務所の信頼を高めていくためにもとても重要なことです。
 3つ目は関連団体との連携強化です。建築三会の連携があって実現した建築士法改正の例を挙げるまでもなく、関連団体との連携は極めて重要です。特に後継者育成や、建築士の地位の向上等の社会的課題解決に向けては、連携の輪を広げ中長期的に取り組む必要があります。関連団体一丸となって建築士事務所の信頼を高め、建築士事務所の地位向上を目指していくことも重要と考えています。
 以上3点でありますが、それぞれが別々の活動ではなく、相互に連関していますし、既に推進中の施策とも連携させた取り組みが求められます。いずれも会員の皆さまの積極的参加のもと、知恵を出し合い、協力し合って推進していくことで、よい成果を生み出せるものと確信しています。

 建築界でのこれまでの業務実績や当協会での活動経験を活かし、協会の発展に貢献し、会員の皆さまの期待に沿えるよう、会長の責務・役割を果たしてまいる所存です。今までにも増して叱咤激励、協力支援のほど、切によろしくお願いいたします。
 皆さまにとりまして新年が幸多い年になりますことを祈念申し上げ、年頭の挨拶とします。
児玉 耕二(こだま・こうじ)
一般社団法人東京都建築士事務所協会会長、江東支部、株式会社久米設計
1951年 宮崎県生まれ/東京大学大学院修士課程修了/1976年株式会社久米設計入社/同取締役副社長を経て現在、同監査役/江東支部
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