18日の初日は、JR八王子駅南口に早朝7時に集合し、マイクロバスを仕立て出発。高速道路の渋滞もなく早めに羽田空港に到着し、10時半のチェックインまで朝食をとる時間としました。これからの研修旅行への期待で会話も弾んでいたところ、突如稚内行きの飛行機が欠航との情報が入りました。聞くところによると、われわれの向かう稚内空港は日本で一二を争う欠航の多い空港だそうで、この日も現地は猛吹雪で既に着陸ができない状態だったそうです。添乗員からはとにかく新千歳空港へ向かい、そこからバスで稚内に向かう手段をとりますとのこと。新千歳空港へのチケットに振り替えることができ、広大な北海道にとにかく上陸することとなりました。13時半に新千歳空港に無事到着。ひたすら約7時間のバスの旅が待っています。ところが、翌日より「冬季アジア札幌大会」が開催されるため、天皇陛下の名代として出席される皇太子さまがお越しになる便と重なり、警備の関係により空港内で立ち往生し、バスの出発は14時に。宿のある稚内まで380kmの長旅の始まりです。
ひたすら雪道をバスは走り続けても風景は変わらず、やがて夕刻になり暗くなりかけたころ、留萌郡小平町の道の駅「おびら鰊番屋」に到着(余談ですが、八王子には「八王子滝山」という東京都内唯一の道の駅があります)。日本最北端の国指定重要文化財(北海道遺産)である「旧花田家番屋」が隣接しており、長旅の途中でのちょっと一息というところです。そこから約3時間弱走り、20時を過ぎるころに稚内の宿に到着しました。休む間もなく3種のカニをメインとした夕食をいただき、その後は元気に南稚内の繁華街へタクシーで向い、カラオケスナックでの懇親会、そして〆のラーメンで1日目が無事終了しました。
最終日である3日目は「流氷観光砕氷船おーろら号」に乗船。網走刑務所の脇を通過し、網走港から乗船しました。天然記念物のオオワシの出迎えで進む海の向こうには流氷が押し迫ってくるスケール感です。音をたて氷を引き裂きながら船は進み、北海道の冬の厳しさと雄大さを感じ、旅の疲れもこの一瞬で吹き飛んでしまうようなひとときでした。
その後、北浜駅よりJR「流氷物語号」の観光列車に乗り、知床斜里駅で下車。再びバスに乗り根室中標津空港から羽田空港に向け飛び立ちました。この日、東京は「春一番」ならぬ「春二番」の強風。聞くところよると、成田空港はことごとく着陸ができず関西空港等へまわった飛行機も多々あったとか。われわれの飛行機は極度に揺れたものの、何とか強行着陸の末、無事八王子に着くことができました。もちろん、八王子では安着(無事に到着したことを祝う飲み会のこと)後、解散となりました。振り返ってみますと、出発するときは飛行機の欠航に見舞われ、吹雪のなかバスに揺られ、紋別では流氷を観ることができず、今回の旅行はいったいどうなることかと思いましたが、網走での壮大な流氷を観ることができ、すべてがこのひとときで救われたような研修旅行でした。
これからも八王子支部ならではの趣向を凝らした「研修旅行」を通じて、正会員と協力会員、そしてご家族の皆様との親睦を更に深め、八王子支部の発展に繋げていければと思っています。
次年度の研修旅行は「ベトナム」を予定しています。はてさて、どんな「研修旅行」になりますか……今から楽しみです。
岡本 栄二(おかもと・えいじ)
東京都建築士事務所協会八王子支部支部長、岡本建築設計事務所
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