中学校で「防災講座──授業・ワークショップ」
文京支部
米田 正彦(東京都建築士事務所協会文京支部支部長、(株)ATELIERFOLIUM代表取締役)
避難所の設営や運営に関する活動や、被災した建物の応急度判定に関する活動など、災害時に担う建築士の役割について解説する三上紀子研修委員(レジオン・コンサバティブ(株)代表取締役)。
ワークショップ「ストローハウスをつくろう!」の下準備として「地震に強い建物」を解説する米田文京支部長((株)ATELIERFOLIUM代表取締役)。
ワークショップの指導にあたる小佐田吾郎氏(前文京支部長・現顧問、(有)ジーケープラン代表取締役)と三上氏。ストローハウスの製作は、一見簡単なようなのだが、部材を三次元的に接合していく技術がけっこう難しい。参加した支部会員が生徒ひとりひとりを指導した。
 東京都建築士事務所協会文京支部は、建築の耐震、まちの防災に関する啓蒙普及活動のなかで、教える・学ぶという一方通行の授業スタイルではなく、学習のプロセスを共有し、理解と発想を共感しあうことができるワークショップの取り組みに力を入れ始めている。今回の「防災講座」は、文京区立文林中学校の主催による講座であり、支部会員である三上紀子氏のコーディネートにより実現したものである。文京支部は全面的に協力することになった。
 講座は、授業2コマを使うレクチャーとワークショップの2部構成である。前半は、建物の耐震から防災、災害時の避難所設営運営、応急度判定など、防災に関する建築士の役割を解説した。また、「いのちを育み、いのちを守る」というキャッチコピーを掲げた『文京 景観・防災ハンドブック』(文京支部刊、企画編集(株)ATELIERFOLIUM)をテキストに、まちの防災と景観のつながりについても説明した。その後、「地震に強い建物」に関する解説を終え、いよいよ、後半は、模型をつくり、建物の耐震化を学ぶワークショップ「ストローハウスをつくろう!」である。
 ワークショップでは生徒約30名を3名〜4名の班に分け、班ごとにひとつの模型を製作した。建築物の柱や梁、あるいは、耐力要素としてブレースに見立てたストローを、ゼムクリップで三次元的に接合していくのだが、思ったより製作が難しいため、支部会員が個別に指導を行った。建築模型のなかに人間のスケールをイメージしてもらうことも重要だ。模型完成後、班ごとに発表し、授業とワークショップの感想を話してもらった。建築士の幅広い活動に感心した話や、模型を強くするための工夫の紹介などが印象的だった。
 今回の防災講座は、中学校の先生方にも参観していただいた。文京支部として、これからも若い世代を対象とした「建築とまちの防災」に関する活動を継続していきたいと考えている。
米田 正彦(よねだ・まさひこ)
(株)ATELIERFOLIUM代表取締役、東京都建築士事務所協会文京支部 支部長
1962年生まれ/(株)坂倉建築研究所を経て、1998年 事務所開設/2006年 株式会社ATELIER FOLIUM一級建築士事務所に改称
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