足立支部 小田原研修旅行
足立支部|令和5(2023)年11月19日(日)@小田原、真鶴半島
川﨑 和成(東京都建築士事務所協会足立支部・支部編集員、株式会社川﨑工務店)
江之浦測候所。
中川一政美術館。
 この秋、長らくコロナ禍で中断してた研修旅行を5年ぶりに開催した。再開にあたって、まずは日帰りから始めようとのことで、近場の小田原を訪れることにした。
 最初に、真鶴半島にある「江之浦測候所」(2017年、設計:新素材研究所 杉本博司+榊田倫之)を見学した。ランドスケープ型の施設で、高低差のある立地条件を利用して広い敷地に建築とアートを融合するものとなっている。それに加え半島の高所に位置する眺望も雄大な水平線を見ることができ、それ自体がアートと感じられた。建築物は、ギャラリー棟、石能舞台、光学硝子ストラクチャー、茶室、庭園、門、待合棟から構成され、散策しながら見学するようになっている。庭園の景石は、近隣の根布川石、小松石、整備事業で出土した江戸城石垣用の原石など、地元で収集されたものを使用していた。いちばん気になったのは「光学硝子ストラクチャー」だ。水平線と同調するように、海へ張り出した舞台が宙に浮いているような不思議な感覚を受ける。実際にこの舞台で舞のイベントなどがあるようなので、ぜひ見てみたいものだ。江之浦測候所の見学は午前か午後のいずれかの予約制なので、休日でも混雑はしていないと思う。
 次に訪れたのは「真鶴町立中川一政美術館」(1988年、設計:柳沢孝彦+TAK建築・都市計画研究所)。平成2年「第15回吉田五十八賞」、平成10年「公共建築百選」を受賞している。建築物はRC造2階建てで、真鶴半島の樹林に包まれよい感じの施設だった。
川﨑 和成(かわさき・かずなり)
東京都建築士事務所協会足立支部・支部編集員、株式会社川﨑工務店 1991年東海大学第二工学部建設工学科卒後、家業の川﨑工務店に入社/2005年 一級建築士事務所登録/主に住宅の設計施工をしている