中央区耐震促進協議会の活動
中央支部
加藤 義道(東京都建築士事務所協会中央支部支部長)
年に2回開催される区民向けの耐震セミナー。区民の関心は高い。
耐震フェアでの耐震相談会。このほかに、月に2回耐震相談窓口を開設している。
耐震フェアでの地震体験とスタンプラリー。
「中央区耐震促進協議会」は、平成23(2011)年3月11日の東日本大震災が発生した直後、中央区の矢田美英区長が、区民の生命・安全を確保するために、区内すべての建築物の耐震化の促進を図る目的で事業の組織化を指示されたところからスタートしています。
平成23年7月に発足準備会が立ち上がり、平成24(2012)年1月からは本格的な活動が始まりました。組織は、中央区と、一般社団法人東京都建築士事務所協会中央支部、公益社団法人東京中小建築業協会中央支部、NPO法人地域の防災と町づくりを研究する会の建築関連3団体による運営です。事業の内容は、次の3つが主になっています。
1. 住宅等の耐震性緊急総点検
区内建築物の緊急総点検として、外部から目視により調査を行い、平成27(2015)年12月までの5年間で、約18,000棟の全建築物調査を終了しました。現在はそれを集約し、指摘のあった建築物の所有者に対し中央区から通知をする準備を行っています。来期以降は、それらの建築物に対して、再度調査し改修状況等の把握をしていく予定になっています。
2. 耐震化の相談窓口の開設
月に2回、土曜日に耐震相談の窓口を開設し、中央区と3団体から1名ずつの計4名が出席し、区民からの耐震に関するあらゆる相談に対応しています。
3. 耐震にかかわる普及啓発活動
耐震への普及啓発活動として、年2回、区民向けの耐震セミナーとして講演会を実施しています。昨年は初の試みとして、講演会に併せて耐震フェアとして、耐震改修工法等の展示、耐震相談会、地震体験、スタンプラリー等を行い、多くの方にご参加いただきました。また、直近の耐震セミナーでは「地震による液状化にいかに備えるか」をテーマに講演を行ったところ、80名近い区民の方が参加され、盛況のうちに終わることができました。
以上が「中央区耐震促進協議会」の概要と現在の活動状況です。今後も中央区とさらに連携を強め、建築物の耐震化に取り組んでまいります。
加藤 義道(かとう・よしみち)
株式会社カトウ建築事務所代表取締役社長、東京都建築士事務所協会中央支部支部長
1951年 栃木県生まれ/1970年 東京都立小石川工業高校建築科卒業後、建築設計事務所等数社の勤務を経て、1987年 (有)カトウ建築事務所設立/1989年 (株)カトウ建築事務所に改組。現在に至る。