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鈴木 文雄(東京都建築士事務所協会理事・研修委員会委員長・会誌専門委員会委員長・墨田支部、有限会社鈴木設計一級建築士事務所)
7月29日(土)に「隅田川花火大会」が開催された。過去最多の103万人の見物客が訪れたとのこと。4年ぶりの開催ということで、見物客も飲食店も出店もテレビ東京も気合が入ったことだろう。わが家は清澄通りという都道に面しているのだが、この通りは花火当日の18時に通行止めとなり、場所取り争奪戦が始まる。早い者は午前中から歩道に陣取り、仲間同志で飲みながら作戦を練っている。16時になると、歩道は戦闘準備モードの人混みとなる。ブルーシートをいかに早く、広く敷くかをシミュレーションするのである。それを「暑いのに大変ですねえ」と遠目に見ながら優越感に浸るのである♪
私は人混み嫌いなのでオモテに出ないようにしているが、せっかくだから飲みたいので16時頃から車庫で飲んでいると、小学校時代の同級生が集まってくる。その後、場所取りを終えた地元の知り合いが仲間を連れてなだれ込んでくる。多い時は20人くらいで車庫で乾杯する。ちなみに花火はまだ始まっていない。
わが家に集まるひとつの大きな目的はトイレ。それを目当てにわが家の近くに陣取り安心して鑑賞するのである。お礼として食べ物や飲み物を持ってきてくれるので、まあWin-Winの関係である。せっかく場所を取ったが最後までうちの車庫で飲んでいるおかしなヤツも数人いる。
21時になると花火のフィナーレなので、さすがに通りに出て鑑賞するが、終わった後も人通りが落ち着くまで数人で飲み続け、終電間近にようやくひとりになりクールダウンできるのである。若干憂鬱ではあるがとても楽しいこの日が帰ってきたこと、この賑わいが戻ったことは実に嬉しい。来年も「トイレご自由に」と書いた紙を貼ってみんなを迎い入れることができることを願いたい。
鈴木 文雄(すずき・ふみお)
東京都建築士事務所協会理事・研修委員会委員長・会誌専門委員会委員長・墨田支部、有限会社鈴木設計一級建築士事務所
1984年 東海大学建築学科入学/1987年 同校中退、東京デザイナー学院建築デザイン科入学/1989年 同校卒業/有限会社鈴木設計一級建築士事務所入社/現在、同代表取締役
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