青森下北・津軽2大半島研修旅行
八王子支部|令和4(2022)年9月18日(土)@青森県
前田 敦(東京都建築士事務所協会青年部会、八王子支部、前田一級建築士事務所)
恐山菩提寺 地蔵殿。(撮影:筆者)
青函トンネル坑道体験ツアー。
鶴の舞橋にて。
 九州地方で猛威を振るう台風14号が関東地方に近づく9月18日7:15、小雨降る八王子南口を出発。台風の行方が気になる中、向かうは青森県下北半島、津軽半島、2泊3日の研修旅行である。参加者は正会員、協力会員合わせて20名だった。
霊場恐山
 バス飛行機と乗り継ぎ、無事青森空港到着、昼食をとり最初の研修先は霊場恐山。
 恐山について解説を引用する。
 「恐山は、今からおよそ千二百年の昔、慈覚大師円仁によって開かれた霊場です。地蔵菩薩一体を自ら彫り、霊場の本尊とされました。
 この地は、宇曽利湖を中心に八峰がめぐり、その形があたかも花開く八葉の蓮華にたとえられます。また火山ガスの噴出する岩肌の一帯は地獄に、そして湖をとりまく白砂の浜は極楽になぞられ、信仰と祈りの場所として伝えられてきました。」(慈覚大師円仁開基霊場恐山リーフレットより)
 慈覚大師円仁は、栃木県下都賀郡内で生まれ15歳比叡山に登り、東北の布教活動にその後全国で布教活動を行った僧侶である(Wikipediaより)。
 恐山菩提寺は、湯治場としても使われているため宿坊や温泉もあり、テレビで見るような恐しい雰囲気はあまりなく、湖も綺麗だった。余談だが、最近イタコのなり手が少ないらしく常駐していない。出張で派遣するそうだ。
 2日目は、大間崎本州最北端や仏ヶ浦遊覧、津軽半島と下北半島を結ぶフェリーでの遊覧と観光を楽しみ、大間のマグロを食し、研修は一旦お休みで、久々の観光旅行を楽しんだ。当然だが感染予防は万全である。
鶴の舞橋
 3日目、最初は2016年JR東日本大人の休日倶楽部のCMでも取り上げられた、日本一長い木造の3連太鼓橋、鶴の舞橋に向かう。
 こちらも、解説を引用する。
 「平成6年7月8日、岩木山の雄大な山影、湖面に美しく映す津軽富士見湖、日本一長い三連太鼓橋「鶴の舞橋」として架けられました。全長300mもの三連太鼓橋は、ぬくもりを感じさせるような優しいアーチをしており、鶴と国際交流の里、鶴田町のシンボルとして多くの人びとに愛されています。
 岩木山を背景にした舞橋の姿が、鶴が空に舞う姿に見えるともいわれ、また、橋を渡ると長生きができるともいわれています。夜明けと共に浮かび上がる湖面の橋の姿や、夕陽に色づく湖と鶴の舞橋は絶景で、季節の移り変わりとともに多くの観光客たちの目を楽しませています。」(メデタイ・ツルタ、青森県鶴田町観光ウェブマガジン)
 この橋の木材は、家の土台に使用される青森ひば1等材を使い、総工費2億6千万円を投じ約3年をかけ平成6年に完成した。
 湖にかかる橋は圧巻だった。残念ながら時期のせいか湖の水が少なく、湖面に移る逆さ富士を見ることはできなかったが。
青函トンネル記念館
 その後、千本鳥居で有名な高山稲荷神社を観光し、青函トンネル記念館へ。
 青函トンネル記念館は、構想から完成までを映像、立体モデルなどで展示しており、実際のトンネル(坑道)内部を見学することができる施設である。
 青函トンネルは、海底240m、総延長53.85km、津軽海峡の海底下100mの地中を穿ち、青森県東津軽郡今別町浜名と北海道上磯郡知内町湯の里を結ぶJR北海道の鉄道トンネルで、1988年3月開業。
坑道体験ツアー
 「青函トンネル竜飛斜坑線もぐら号」に乗り込んで斜度14度の斜坑を7分間降りると、現在も利用されている地下坑道の一角に展示エリアがある。実際に掘削に使われた機械や機器、当時の現場を再現した1/1模型が展示され、現地スタッフによる展示物や当時の技術等についての説明がある。約40分の見学であった。1946年の地質調査から42年後の1988年の開業までの、苦労や技術力の凄さが理解できる構成となっており、当時工事にかかわった人たちの熱意が伝わってきた。

 当初台風14号の行方が心配だったが、運よくすり抜け、台風の影響はほとんどなく、あっという間の3日間が過ぎ、無事、予定通り八王子に。
 少しのアクシデントはあったが、参加者皆様が無事帰路につけたことを喜ぶとともに、研修委員会担当幹事に感謝したい。
前田 敦(まえだ・あつし)
東京都建築士事務所協会青年部会、八王子支部、前田一級建築士事務所
1967年 東京都生まれ/1988年 東京工科専門学校卒業/1997年 株式会社木下工務店設計部退社/1998〜2008年 10年間建築を離れ、デザイン会社で、サイン・CI・チラシ等のデザインを行う/2008年 前田一級建築士事務所設立