会長談話
児玉 耕二(東京都建築士事務所協会会長)
 コロナ禍はなかなか収束に向かわず、自粛自衛しながら社会活動が続いています。協会活動においても感染予防と活性化とを両立させながら活動が続いています。恒例である建築ふれあいフェアは3年ぶりに9月10日、11日に開催します。皆様のご協力と積極的参加を期待しています。
「支援協会」は再生して歩み出します
 東京都建築安全支援協会(以下「支援協会」)は、8月17日に会員総会を開き、清算手続きを中止して継続再生を行うことを決議しました。再生に当たっては、当協会会員の中から有志を募り、新しく理事5名監事1名を選出し一新した体制となりました。今後この新しい理事会を中心に活動が進められることになります。また職員については最小人数でのスリムな人員構成とし、業務内容も耐震改修業務のみに限定せず、将来ニーズ増加が見込まれる分野(建築物定期調査やマンションの大規模改修など)にも取り組んでいく予定となっています。業務の直接受注拡大に努め、自立した運営方針のもとで再生を目指しています。
 当協会では昨年9月の理事会で、「支援協会」を統合して「支援協会」の業務を引き継ぐこと、職員を受け入れることを骨子とする対応方針を決め、当協会全体として協力支援して行くことを決議しました。「支援協会」ではその後10月に総会を開いて解散を決め、職員並びに業務を当協会に移行し清算手続きに入っていました(その経緯は『コア東京』2021年11月号に記載)。
 しかしながら統合に必ずしも賛成しない会員もあり、清算手続きは完了せず、協会の中で半年あまり混乱が続く状況がありました。「支援協会」の関係者で再度協議を行い、「支援協会」の清算手続きを中止し、スリムな形で再生する方向で収拾を図る方策が示されました。
完全な統合には拘らず、協会全体の総合的な視点で対応します
 当協会の7月20日の理事会において「支援協会」の加藤昇代表清算人(もと代表理事)から、今後「支援協会」は再生の方向で進め、将来的には耐震改修だけでなく建築物定期調査やマンションの大規模改修などの業務も行うこと等を報告され、理事会の理解を得て、「支援協会」は8月17日、会員総会を開催し再生することを決議しました。
 当協会としてはこの決議を受けて、「支援協会」の再生を見守りながら、再生する「支援協会」との連携協力のもと当協会会員からの構造関係の相談対応なども含め会員サービスの継続充実にも努め、総合的発展を目指していきます。
 また、(仮称)構造技術センターの設立については機構改革WGで検討途中ですが、再生する「支援協会」の実態的機能を見極め、また技術全般のニーズの変化や将来の発展性を見通して新しい機能・役割も含めて検討していくことにします。旧「支援協会」業務の受け皿としての機能は薄れますが、大きな業務転換が起こりつつある今、当協会の技術サービスや機構のあり方を見直す良い機会になることを期待しています。
会員の宥和と、一丸となって協会活動への協力をお願いします
 当協会は建築設計業界の発展と専門家としての社会貢献を目指す団体ですが、課題が山積する時、会員が一丸とならなければ施策の実現も行政との連携強化も市民の理解を得ることも難しいことは言うまでもありません。
 「支援協会」に係わる問題で上述のような対応に至りましたのは、協会の混乱を避け会員宥和を第一に考えてのことであり、会員の皆様のご理解をお願いします。今後は協会会員が一丸となって協会活動に協力いただき、当協会の発展を加速できる態勢づくりに努めてまいります。
児玉 耕二(こだま・こうじ)
東京都建築士事務所協会会長、江東支部、株式会社久米設計
1951年 宮崎県生まれ/東京大学大学院修士課程修了/1976年株式会社久米設計入社/同取締役副社長を経て現在、同顧問/2017年11月に一般社団法人東京都建築士事務所協会会長に就任
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