令和4年度 国への予算要望を提出
TARC 3団体と共同して自由民主党東京都支部連合会に要望書を提出。
 当会は、令和3(2021)年11月19日、令和4年度国家予算等に関し、東京建築設計関連事務所協会協議会(通称TARC)のメンバーである(一社)東京構造設計事務所協会、(一社)東京都設備設計事務所協会及び(一社)日本建築積算事務所協会関東支部の3団体と共同して、自由民主党東京都支部連合会に対し次の3項目の要望書を提出しました。
以下に提出した要望書の概要を示します。
1 建築設計を管理する責任を持つ管理建築士に対し、定期的な講習の受講義務 を課すよう要望いたします。
 また、建築士法第27条の5の苦情解決制度における調査に伴う文書提出要求等に対する応答義務の主体を、建築士事務所協会の会員に限定せず、より広く建築士事務所の登録をしている開設者とするよう要望いたします。
 建築士法は、建築関係の資格を定めて業務の適正を図り建築物の質を向上させ、もって設計等を委託する建築主の利益を保護することを目的としています(建築士法第1条参照)。
 建築士事務所の業務は、個々の建築士の業務の単なる集合体ではなく、管理建築士による管理を経て初めて建築主の利益を保護するに足りるだけの業務水準を確保することができる性質のものです。よって、管理建築士に対しても定期的な講習の受講義務を課すよう要望いたします。
 また、建築士法第27条の5は、苦情解決制度を定めています。そして、法第27条の5第3項を反対解釈すれば、協会会員でない者は正当な理由がなくとも苦情解決において必要な文書の提出等を拒むことができることになります。設計等を委託する建築主の利益保護が法の趣旨である点に鑑みれば、苦情解決の必要性は苦情対象が本協会の会員か否かによって異なるものではありません。
 そこで、法第27条の5第3項の主体を「協会会員」と限定するのではなく、より広く建築士事務所の登録をしている開設者とするよう要望いたします。
(一社)東京都建築士事務所協会
2 建築確認申請に係る建築基準法等の建築関連法規について、各建築主事、各指定確認検査機関の法解釈の一元化を図っていただくよう要望いたします。
 建築確認制度の眼目は、建築予定の建物の法令適合性を工事着工前に検証することで、違法建築を「予防」する点にあります。
 しかし、この十数年、確認申請が下付され着工した建築物が、建築基準法第94条及び行政不服審査法による不服申立てにより、建築確認が取り消される事案が多くみられます。
 確認検査機関の確認検査員は、必ずしも各特定行政庁の個々の法解釈を熟知しておらず、各特定行政庁の解釈も各確認検査機関に十分に周知されているとはいえないことから、確認検査機関と建築主事との間で解釈が相違することが多くあるのが現状です。また、建築主事の示した解釈であっても、建築審査会が同一の解釈を採用するとは限りません。
 建築確認制度の違法建築「予防」機能を取り戻すため、ぜひとも、建築確認申請に係る建築基準法等の建築関連法規について、各建築主事、各指定確認検査機関の法解釈の一元化を図っていただくよう要望いたします。
(一社)東京都建築士事務所協会
3 既存建築物の改修設計における設備設計に関し、各設計業務の料率算定基準を設定いただくと共に、改修設計業務の標準的な発注仕様書の策定をご検討いただきたく要望いたします。
 設備設計事務所が受託した設備設計業務を遂行していくためには、適切な設計料率の設定と共に、発注仕様書の内容が明確に定められている必要があります。
 改修設計については告示98号にあたるような基準が示されていないことから、適切な設計料率が設定されずに発注がなされている状況が散見されます。
 また、設備設計に関する改修設計の発注仕様書については、現状では発注仕様書の内容と受託業務の実態が乖離している状況が見受けられます。
 つきましては、既存建築物の改修設計における設備設計に関し、現地調査、基本計画・基本設計及び実施設計等の各設計業務の料率算定基準を設定いただくと共に、改修設計業務の標準的な発注仕様書の策定をご検討いただきたく要望いたします。
(一社)東京都設備設計事務所協会