新会員懇談会レポート
平成26年度 第2回新会員・特別会員・賛助会員懇談会(2015年2月13日)
中田 千恵子・安田浩司(東京都建築士事務所協会 編集専門委員)
懇談会──建築士法改正、処分をめぐって
 半年ごとに開催される新入会員を迎えての懇談会が平成27年2月13日(金)本会9階会議室で催された。この半年で入会した新入会員で出席されたのは8名である。今までと比べると少ない。大内達史会長はじめ役員・会員委員会・事務局、そしてわれわれ編集専門委員2名を加えて総勢29名での懇談会になった。
 会員委員会の委員の司会で始まり、「上部役員と直接話せる機会はめったにないと思うので、今日は思う存分お話し下さい」との言葉通りの活発な意見が多々飛び出した。
懇談会参加新入会員のみなさん
懇談会(本会9階会議室15:30〜16:50)。
質疑風景。
会長挨拶(要約)
 「昨年(平成26年)の6月から日事連の会長を兼ねている。昨年の6月に建築士法の改正が行われ、この6月に施行される。今私はこの普及活動に動いている」。
 「建築士法の改正は、延床面積300m2以上の建築物に対しての書面による契約の義務化や、一括再委託の禁止が柱だが、私が注目するのは告示15号の業務報酬基準への準拠を求める条項である。これには役所から襟を正し、民間を動かしていただかないと、われわれは生き延びていけないという危機感を抱いているので、いろいろなチャンスのたびに協力をお願いしている。建築士の処分の問題については、厳しくて解せないケースもあり、明確な処分のあり方を考えていきたい。もしそのような事態になった時には当協会で弁護士を紹介するので、自分だけで動かず必ず連絡してほしい。最善な方法で対処していこう。これは会員全体に、ホームページや会報誌『コア東京』などで周知している。協会員がひとつになって会を盛り上げながら、われわれの働く場をよりよくしていこう」。

 会長挨拶の後、役員の紹介があり新入会員の自己紹介と続いた。皆、意匠系の事務所だが、住宅設計、パーキング専門、調査等々、特化した事務所が目立った。
 毎回、懇談会の前に実施しているアンケートによると、入会の動機はやはり「業務につながると思ったから」と「建築業界の動向などの情報がほしい」が大部分を占めている。支部で行っている活動にはまだほとんどの人が不参加のようだ。本誌『コア東京』を読んでいる人が「たまに」を含めると7割に達しているのがうれしい。
 今井光専務理事の丁寧な本会機構の説明の後、意見交換会となった。
 処分を受けた新入会員がおり、「ひとりの事務所だと個人が処分されれば、即事務所閉鎖となる。一蓮托生が怖い。いちばん辛いのはクライアントに多大な迷惑をかけることで、設計者と設計事務所の処分が別々にならないものか」という意見が出た。経験を活かして情報を提供できればという前向きな発言だった。「建築士と設計事務所の関係は、国土交通省と都道府県というように管轄が違うので複雑になっている。当協会は毎年国や都へ要望書を上げていて、少しずつだが効果が出ている。これからも、皆で声を上げていこう」と会長の弁。会長の舌は滑らかで、司会からまきのサインがたびたび入ったのが印象的だった。
交流会──積極的な活動を
 各支部長や賛助会員の待つ「新宿ワシントンホテル」に場を移しての交流会には、新入会員6名を含む69名の参加があった。
「当会は正会員と賛助会員がおり、賛助会員は正会員を盛り立ててくれている。新入会員の皆さんが技術的な事で分からないことがあれば、賛助会員に相談すれば助言してもらえるので、この機会に交流を深めてほしい。当会がますます発展することを望む」との会長のスピーチで始まり、陰山日出也理事(兼会員委員会副委員長)の音頭で乾杯となり歓談に入った。恒例の役員・新会員、ブロック別の記念撮影、賛助会員の紹介と続き、ひと盛り上がり。
その合間を縫って、ブロックごとの取材に走った。
「何もわからなかったが、懇談会の本会機構説明は組織が理解できてよかった」という新入会員、「防火認定の不合理」について真剣に説く新入会員、ともかく、それぞれに充実した時間であったようだ。個人的なことだが、先日当協会が行った木造耐震講習会の会場でたまたま隣の席になった方が新入会員の中におられて驚いた。
宴たけなわの中、西倉努会長代理の閉会の辞でお開きになった。
これから新入会員の皆さんは、直接、支部との交流になるが、積極的に参加して、活動してほしいと思う。
交流会(新宿ワシントンホテル「ペガサス」17:15~18:30)。
役員と共に。
(報告:中田千恵子 写真:安田浩司)