防災訓練で「応急危険度判定」をデモ
支部だより:渋谷支部
 東京都建築士事務所協会渋谷支部は、毎年9月1日に行われている「渋谷区防災訓練」に参加した。毎年参加しているのだが、今年は新機軸として「応急危険度判定」のデモンストレーションを行い、大いにわれわれ建築士事務所の存在をアピールできたと思うので報告する。
 そもそもこの行事に参加するようになったのは、渋谷区が約10年前に作成した「ハザードマップ」に、渋谷支部が主体的にかかわったことがきっかけだった。この時は渋谷支部会員が住宅地図を片手に区内すべての建物を調査(外観目視)し、危険と思われる建物をピックアップした。でき上がったハザードマップは地盤情報のみならず倒壊危険建物情報を含み、他には見られないユニークなものとなった。
❶訓練には約40の公共機関や団体、企業が参加した。建築関係団体はわれわれと、隣の日本建築家協会渋谷地域会。
 訓練には約40の公共機関や団体、企業が参加し、各町内会からも多くの区民が集団避難を想定して集まる大々的なものである。消防や自衛隊による消火や救助、帰宅困難者の対応や避難所の設置など、発災から数日後の状況までを会場で実演する(写真❶)。
❷災害救助犬が会場に設置された倒壊寸前の3棟の建物から被災者を見つけ出し、自衛隊が救助する。
❸その後、われわれ「応急危険度判定員」の出番。2人1組で下げ振りなどを使って建物の危険度判定をしていく。
 われわれの出番は後半。会場に設置された倒壊寸前の3棟の建物から、災害救助犬(写真❷)が見つけた被災者を自衛隊が救助した後だ。
 2人1組で下げ振りなどを使って建物の危険度判定をしていくが、当然(?)すべて「赤紙」だ(写真❸)。この間、司会者の質問に瀬尾敏明前支部長が答えて、何をしているのかを観客にも分かるように説明する。事前にシナリオはつくっているのだが、約7分間のパフォーマンスで、その内容と役割は十分理解してもらえたと思う。
❹会場にはテントを出してスタンプラリーの出題をしたほか、建築無料相談も行った。
❺一緒に参加した日本建築家協会渋谷地域会の皆さんと記念撮影。今まで行っていなかった情報共有を図るきっかけとなった。
 そのほかに、今回はテントを出して(写真❹)スタンプラリーの出題をし、建築無料相談も行った。また、日本建築家協会渋谷地域会にも声をかけて一緒に参加(写真❺)してもらい、今までは行っていなかった情報共有を図るきっかけとした。
 事前打ち合わせから当日朝の準備までと色々たいへんではあったが、行政だけでなく地域にわれわれの存在をアピールすることも大切なのだと思う。 (安田 浩司)
安田 浩司(やすだ・こうじ)
建築家、アーキテム・安田計画設計室、東京都建築士事務所協会編集専門委員会、渋谷支部
1954年生まれ/1978年 東京デザイン専門学校卒業
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