会長就任挨拶
児玉 耕二(東京都建築士事務所協会会長、江東支部、株式会社久米設計)
 このたび、会員の皆様の推薦を受け引き続き会長職を拝命することになり、たいへん光栄に存じます。平成29(2017)年11月の会長就任以来、会員の多くの声を聞き、ひとりひとりと協会本部がつながることに努め、協会運営のあり方を模索しながら、精一杯臨機に対応して参りました。引き続き、令和1(2019)~令和2(2020)年度の会長に就任するに当たり気持ちを新たにし、協会の輝かしい未来に向けて、皆様の協力のもと発展前進する協会にすべく、微力ながら誠心誠意努めてまいる所存です。
 東京五輪が来年と迫り、建築関連の方々の多大な尽力もあり、多くの関連施設の整備が着々と進んでいます。多忙を極める中、一方で働き方改革が叫ばれ、やりがいのある職場づくりやライフ・ワーク・バランスが重要となってきています。建築士事務所も変革を余儀なくされており、現代的な意味で魅力ある仕事・職場に変えていく努力が不可避となっています。
 当協会の今年の活動方針は、次の時代に向けての確かな一歩を着実に踏み出すことです。本部の委員会活動では、男女共同参画、建築士事務所のマネジメント支援、建築士の地位向上、の3つのWGを昨年立ち上げ、現代のニーズに対応すべく検討を開始し、今年は検討結果をもとに具体的発信・行動に移すべく動き出しています。男女共同参画WGは人材の発掘活用等の実績をあげて建築士事務所の「働き方改革推進WG」へと進化し、建築士事務所のマネジメント支援WGは保険制度の導入や事業継承等の方策を実現すべく、いよいよ「マネジメント支援センターの設立準備」へと、また建築士の地位向上WGは具体的行動に向けて「社会貢献推進WG」へとステップアップしていきます。併せて、具体策実現の基礎資料となる会員の実態調査や、会員の皆様にアピールできるシンポジウムの準備を始めました。
 私は会長に就任した折に、働き方改革の推進、東京三会をはじめ関連団体との連携強化、地域に期待される支部活動の活性化、の3つを活動目標に掲げました。働き方改革は上述のように本部のWGを通じて推進しつつあり、関連団体との連携強化も東京三会の連携強化に加えて、構造、設備、積算事務所の協会との連携強化を進めつつあります。今後は、地域における支部活動の更なる活性化に向けて、建築の専門家として建築相談や空き家対策等を通じての行政施策への協力をはじめ、応急危険度判定や避難所の定期点検等地域の防災体制づくりへの地域貢献に加え、街づくりや建築づくりへの都民の関心を深めるために一般都民向けのセミナーイベントや小中学校での出前授業等啓発活動の推進に努めて参りたいと思います。これらの活動によって地域での建築士事務所の理解や信頼を高め、ひいては建築士事務所の地位向上に繋がるものと確信しております。
 当協会は日事連の中でも単位会として規模が極めて大きく、また多様な建築事務所を会員に抱え、日本の建築設計界をリードしていく使命を担っています。現在当協会からのべ39名の委員を派遣し、日事連の活動でも中核を担っています。建築関連法規の改正や、報酬基準等の基準改訂もとても早いスピードで変わる昨今、ニーズを察知し先んじて、日事連が迅速に対応していく必要があり、建築設計の現場、建築士事務所の実情を反映した改訂が進むように、会員の協力のもと、提案や要望を発信していきます。
 会員の皆さまの期待に沿えるよう会長の責務・役割を果たしてまいる所存でありますが、協会発展のために今までにも増しての積極的協力支援と、並びに私への叱咤激励の程を、切にお願いし、会長就任の挨拶といたします。
児玉 耕二(こだま・こうじ)
東京都建築士事務所協会会長、江東支部、株式会社久米設計
1951年 宮崎県生まれ/東京大学大学院修士課程修了/1976年株式会社久米設計入社/同取締役副社長を経て現在、同監査役/2017年11月に一般社団法人東京都建築士事務所協会会長に就任