VOICE
奥山 安雪(東京都建築士事務所協会、建築設計アトリエ80)
外での思い出──都市と地方について
フランスのパリ、オーストラリアのシドニーなど、まったく違う所へ行ったときのこと。主要都市では人が多くその国の発展ぶりを象徴しているが、数時間も離れれば農家や山々等が目立つ。旅行などに行くとき、われわれは仕事上まず有名な建物を主に見てくるが、地方都市も見てきたい。そこにはその国の大多数の生活の姿が見られるからだ。旅に行った際は、早朝ホテルから出て散歩がしたくなる。日中は人や車が多く、ゆっくり建物も見られない。朝のすがすがしい空気を吸いながら路地裏までも見られる。とても良い気分だ。知らない国での散歩はワクワクする。ただし、何度か迷ってしまいホテルに帰れないこともあった。今はGPS機能を持つ機器が当たり前で自分の居場所がわかるが、若い時は携帯さえもなかった時代だ。以前はどうやってホテルに戻るかたいへん不安だった。したがって海外では言葉が話せることがいちばんだ。振り返り、今でも私はその国の生活や人となりを知ることが好きだ。なかなか難しいことだが友人をつくると色々な所を案内してくれる。今では海外に何人もの友人がいるので、行ける時は真っ先に彼らのところを訪ねたい。……都市と地方の両方を見たいというのは、旅の時間に余裕をもてればの話である……。
奥山 安雪(おくやま・やすゆき)
建築家、建築設計アトリエ80主宰、東京都建築士事務所協会北部支部
1953年生まれ/野地建築設計事務所を経て1980年に独立/趣味は「書道」と「躰道」という武道
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