平成29 年度 行政・建築士事務所情報交換会
墨田支部
鈴木 文雄(東京都建築士事務所協会墨田支部、有限会社鈴木設計)
会場風景。(撮影:筆者)
 今年度、墨田支部は「老朽マンション対策委員会」、「空き家対策委員会」、「災害時対応準備委員会」という3つの委員会を立ち上げた。そして今後の活動の方向性を見定めるべく、各委員長をコーディネーターとして3つの課題について意見を交換する「行政・建築士事務所情報交換会」を開催した(平成29/2017年8月25日、すみだリバーサイドホール ミニシアター/墨田区役所庁舎1階にて)。
【第1部:マンション管理について】
コーディネーター:和田栄治
 都祭芳明支部監事から耐震補強・大規模修繕事例報告の後、墨田区役所住宅課の若菜進課長より分譲マンションの適正管理に向けた取り組みをお話しいただいた。たいへん参考になり、今後われわれ会員のお互いの活動をどうマッチングさせれば区民にとってプラスになるかを考えていきたい。
【第2部:空き家対策について】
コーディネーター:笠貫曻
 足立区での空き家利活用検証の取り組みについて足立支部の松崎孝平副支部長にご報告いただいた。今後の対応のひとつとして期待される既存住宅状況調査(インスペクション)についての踏み込んだお話でした。それぞれ複雑な事情をクリアするためのハードルは決して低くはないが、広い可能性を秘める課題だけに今後も注視していきたい。
【第3部:災害時の対応について】
コーディネーター:都祭芳明
 墨田支部から応急危険度判定員の他区の連絡方法事例と、支部としての招集方法の確立についてお話をした。各地で災害が頻発しているにもかかわらず何も準備ができていないことに焦りを覚える。
【第4部:墨田区各課からのお知らせ】
 墨田区都市計画課の武井勝人課長様、同中川美菜子係長様、田口茂敏係長様より「墨田区都市計画マスタープラン改定に向けた取組み」、「すみだ景観フォーラム」、「墨田区の高度地区」について説明をいただき、建築指導課の串原照夫課長より「指定道路図の窓口公開」についてのお知らせをいただいた。
 「われわれは技術者として現場で何をすべきか? 行政は区民のためにどう施策に反映すべきか?」と、立場は異なるが「よりよい街づくり」に向けた同じベクトルを持つ両者が情報を交換することにより、連携する想いを共有できる場として大きな意味のある会となった。
 また、さまざまな同じ課題を抱えるブロック内の他支部の活動報告は有用であるとともに刺激的であり、今後も支部の垣根を超えた情報交換を行っていきたい。
鈴木 文雄(すずき・ふみお)
建築家、有限会社鈴木設計代表、東京都建築士事務所協会青年部会、墨田支部
1984年 東海大学建築学科入学/1987年 同校中退、東京デザイナー学院建築デザイン科入学/1989年 同校卒業/有限会社鈴木設計一級建築士事務所入社、現在に至る
記事カテゴリー:支部 / ブロック情報