勉強会:基礎杭工事問題と大規模木造建築の防耐火
江東支部
蓼沼 芳(東京都建築士事務所協会江東支部副支部長、株式会社阿波設計事務所)
熱心に耳を傾ける会員。
竹中工務店の耐火集成材燃エンウッドの構成・仕組みと適用事例「中郷会新柏クリニック」。
 平成28(2016)年11月29日、東京都建築士事務所協会江東支部の主催による勉強会を江東区潮見の株式会社久米設計本社で開催しました。江東支部22名に加え江戸川支部や墨田支部の会員も参加して計35名となり、近年の勉強会では規模的にも内容的にも充実したものになりました。
 先ず、「『基礎杭工事問題を受けた再発防止策について』および『新工法のご紹介』」と題して、ジャパンパイル株式会社より横浜のマンションの傾きに端を発した杭施工データ問題についての報告がありました。原因究明と建設業界ならびに杭業界、企業としての再発防止策について、国土交通省が平成28(2016)年春に行った「基礎ぐいの適正な設計について」の通知、すなわち「基礎ぐい工事における工事監理ガイドラインの策定」および「地盤の特性に応じた設計方法等に関する周知徹底」に沿い、丁寧に解説していただきました。また、新工法であるMAGNUM-BASIC工法の説明があり、支持地盤の状況に応じた杭先端部の扱いなどについての熱心な質疑応答が展開されました。
 次に「都市部に大規模木造を実現させる防耐火技術と適用事例」として、株式会社竹中工務店より大規模木造建築物の耐火技術と事例について、豊富な実施例を示していただき、木造の耐火構造の仕組みを分かりやすく学ぶことができました。
蓼沼 芳(たでぬま・かおる)
東京都建築士事務所協会研修委員、江東支部副支部長、株式会社阿波設計事務所執行役員 東京支店支店長
1961年生まれ/1986年 東京工業大学大学院修了/2008年年 株式会社阿波設計事務所入社