会長就任挨拶
大内 達史 (一社)東京都建築士事務所協会 会長
 6月1日に開催された第88回定時総会において、3期目の会長に選出されました。
 平成15年の総会を前に当時の五味道雄会長に、理事に立候補してサポートしてほしいとのお言葉をいただき、新理事で副会長の職をおおせつかり、現在まで当協会の理事をしてまいりました。その間、五味会長、三栖邦博会長の副会長の任に当たり、平成23年6月より会長に就任いたしました。以来、副会長、理事、そして会員ひとりひとり、賛助会員、都議会の先生方、都庁、関連団体の皆様に助けられ、実績を上げることができましたことを深く感謝いたします。
 会長に就任し、あっという間の4年でした。その間、さまざまな課題に対し会員ひとりひとりが積極的に取り組んでいただき、本部役員の方々、各ブロック、各支部役員の方々は協会での役割を全うしてくださいました。本当にありがとうございました。また、昨年6月に一般社団法人日本建築士事務所協会連合会会長に就任いたしました。
 任期中、2年前の総会のご挨拶で申し上げた、協会の活性化のために何をなすべきか、という永遠のテーマを追求してまいりました。それにはひとつひとつの課題を丹念に実行していくことが大切であると考え、東京都特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震診断の義務化、会員増強対策、東京建築三会とそこに東京都が加わった東京建築三会行政懇談会の設置、青年部会の設立、年会費の改正、今年8月には当協会の移転、昨年6月の改正建築士法の議員立法による成立と本年6月25日の施行に対する取り組みなどを、皆様方と共に実行してまいりました。
 2020年の東京オリンピック・パラリンピックを成功させるのは当然です。その施設の設計監理業務について、設計施工一貫方式(デザインビルド)を採用すると東京都から発表がありました。何とかこれを阻止しようと、昨年来、東京三会において東京都財務局と交渉を重ねてまいりました。当協会の今年の新年会のご挨拶で、都議会議長である高島直樹先生より、「3つの施設はデザインビルドでやらせてもらい、あとの8施設については必ず、東京三会の発案した方式によってさせていただく」とのお言葉をいただきました。これには東京都議会自民党議連の先生方をはじめとする都議会の皆様にお力をいただきましたことを感謝申し上げます。
 西倉努会長代行はじめ副会長、理事の方々に積極的に協力をしていただき、任期を全うできました。また、今井光専務理事が退任されます。長い間ご苦労様でした。
 3期目の会長就任にあたり、よりよい協会に向けて、あらゆる面を想定しながら職務にあたる覚悟です。これからの建築士事務所が安定した仕事ができるように、後継者問題、また若者の建築離れ、そして子どもたちに建築のすばらしさを伝えることなどを検討し、社会に貢献する次世代の建築士事務所をつくり上げるために全力で取り組んでまいります。
 当協会は、平成14年に機構改革の委員会において定款と細則を見直し、法定団体、そして一般社団法人となりましたが、その当時つくられた定款が若干、現状にそぐわなくなっており、将来に向けての見直しをする必要があります。これには皆さんと一緒に新たに機構改革の委員会を立ち上げ、盤石な定款をつくり上げてまいります。
 当協会は今年8月に新宿駅東口のビルに移転します。事務スペースをワンフロアに集約し、協会本部、登録センター、安全支援協会の3つの事務局の刷新を図ります。また100名ほどの講演ができるスペースを確保します。これらにより、将来を見据えた財政の安定を図りたいと考えております。
 財政安定のためには、東京都の建築・設備定期報告業務の受託ができればと思っております。簡単にはいきませんが、これからも根気よく折衝してまいります。空き家対策、あるいはリノベーション対策等のアドバイザー資格制度を考えております。また、改正建築士法の普及活動を皆でやってまいりましょう。
 新理事の方々と一緒に考え、協会の発展、そして建築士事務所の繁栄に少しでも協力できればと思っております。改めてご理解とご協力をお願い申し上げます。
大内 達史(おおうち・たつし)
1943年北海道生まれ。日本大学卒業後、1967年株式会社協立建築設計事務所に入社。1998年同社代表取締役社長に就任。同社の主な設計建築物に「ヨドバシAkiba」など。2011年一般社団法人東京都建築士事務所協会会長に初選出され、今回で3期目となる。2014年一般社団法人日本建築士事務所協会連合会の会長に選出される。
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