VOICE
『コア東京』2016年1月号編集後記
早川 佳孝(富田商事株式会社、東京都建築士事務所協会編集専門委員)
 
昨年の5月より、編集委員として参画させていただいている。私にとって、最初の編集委員会出席の折、挨拶で私のテーマはBIMであると申し上げた。
私自身が記事を書けるわけではないので、すぐ執筆者探しを検討した。先ず、BIMソフトの根底をなすIFCフォーマットを世界標準として推進しているIAI日本の理事長Y氏に問い掛けた。結論として彼の他誌掲載記事を見せていただいたが、当誌掲載には合わないと思った。次に3D関連、BIMを先駆的にやっている大学准教授S氏に話したところ、企画によっては執筆してもよいとの返事をもらった。それでどう企画構成するかを考えるためソフト会社の手引書を3つほど調べてみた。あまりにも範囲が広い。
最近はCAD、3D、BIMを統合したソフトが開発され、建築表現を短時間につくれ、思いを表現できる。いわゆる生物的グニュグニュ空間がつくれるので楽しく理想的なことができる。一方、建築物を建てるために地道に苦労して基本的なことを分担する人が少なくなり、建築ものづくりの欠陥が露呈し、社会的問題化している。
私の頭の中ではIAIの活動に1996年から参加しているので思いはたくさんある。私の写真作品のようにどう波紋を広げるかである。大切なのはすべてに通じることであるが、それは人間関係と情報交流を的確に行うことの先にあるのだろう。
早川 佳孝(はやかわ・よしたか)
富田商事株式会社企画・デザイン部 建築意匠参与